2023年12月7日 5:02 PM

Windows 10 サポート終了とWindows 11, Windows 365, ESUの計画について

※ 本ブログは、米国時間 12/5 に公開された “Plan for Windows 10 EOS with Windows 11, Windows 365, and ESU” の抄訳です。

Windows 10は2025年10月14日にサポート終了 (EOS)を迎えます。2年という期間は長いように思えるかもしれませんが、インフラストラクチャを新しくしていくことは、組織の生産性とデータの安全性を維持することにつながります。対象となるデバイスを EOS よりも早く Windows 11 にアップグレードしていただくことで、Windows 11 の利点を実感している企業を目にすることは、私たちにとって心強いことです。最近では、オーストラリアのシドニーに本社を置く銀行のWestpac様で、Microsoft Intune、Windows Autopatch、および App Assure を活用して、40,000 人の従業員を効率的に Windows 11 に移行させるとともに、定期的なハードウェアのリフレッシュ・サイクルの一環として新しい Windows 11 デバイスを組み込んでいただきました。

このブログでは、Windows 11へのスムーズな移行のためのさまざまなオプションについて、ご説明します。

Windows 10 サポート終了が意味すること

Windows 10のサポートが終了すると、問題に対するバグ修正、脆弱性のセキュリティ修正、タイムゾーンの更新、何かしらの問題が発生した場合のテクニカルサポートがマイクロソフトから提供できなくなります。

Windows 10のリリース情報ページに記載されているように、バージョン22H2はWindows 10の最終バージョンとなります。Windows 10のすべてのエディションのバージョン22H2は、2025年10月14日まで、毎月のセキュリティ更新プログラムでサポートされます。なお、Windows 10 IoT Enterprise Long-Term Servicing Channel (LTSC) と Windows 10 IoT Enterprise は、それぞれのライフサイクルに基づいてアップデートが継続されます。

Windows 10のEOSが2年を切った今こそ、最新のOSへの移行計画をお立てください。皆さまの組織でも、セキュリティアップデートが受けられないサポート対象外のソフトウェアが稼動したままにならないようにお気をつけください。レガシーなソフトウェアを継続利用をすることは、重大なセキュリティリスクやコンプライアンス違反に繋がる可能性があります。

Windows 10からWindows 11に移行するオプション

Windows 11 は、これまでで最も安全な Windows です。Copilot in Windows を含むその幅広い機能は、組織の保護と生産性の維持をご支援するように設計されています。これらの対策には、ビルトインされている高度な暗号化、データとクレデンシャルの保護、堅牢なシステム セキュリティとネットワーク安全性、進化する脅威に対するインテリジェントなセーフガードなどが含まれます。

Windows AutopatchMicrosoft Intune を使用して、対象となる PC を Windows 11 にアップグレードすることに加えて、Windows 11 をご導入いただくためのオプションには、次のようなことが挙げられます:

  • 優れたセキュリティ機能がすべてデフォルトでオンになっている新しい Windows 11 Pro PC の導入。さらに、キッティングをクラウド経由で自動化できるWindows Autopilotを利用することで、販売代理店から従業員に直接、新しいPCを出荷できるため、初期設定の手間や時間を短縮できます。
  • デスクトップ環境をクラウドへと移行し、DaaSソリューションである Windows 365を利用することで、クラウドPCとして、どのデバイスからでもWindows 11を利用できるようになります。

これらの事項についてさらに詳しく説明し、Windows 10の拡張セキュリティ更新プログラム (ESU:Extended Security Updateプログラム) についてもご説明します。

対象外のPCを新しいWindows 11対象デバイスにリフレッシュする

ユーザーである従業員のみなさまは、Windows 11であれば、最もセキュアで環境で業務を遂行できます。AIの搭載によって、より使いやすくなり、そのROI (投資収益率)は250%と算出されています。

ステップ1. まず、Intuneやその他の管理ツールを使って、インストールベースの内、どのデバイスが対象外かを把握します。

ステップ2. Windows 11の対象外のデバイスや、買い換え時期を迎えた古いデバイスについては、Windows 11を搭載した新しいPCへの移行をご検討ください。Dell、HP、Lenovo、Acer、SurfaceをはじめとするWindowsエコシステムから提供される最新デバイスは、さまざまな業務のニーズに合った幅広い選択肢を提供します。Windows 11搭載の新しいPCは、OEMメーカーや販売代理店から直接ご購入いただけます。

白鶴酒造株式会社では、新しい Windows 11 Pro デバイスを使用して、国やタイムゾーンをまたいだセキュリティ管理を効率化しています。白鶴酒造にとって決め手となったのは、TPM 2.0 のようなハードウェアに裏打ちされた保護機能を含む、すぐに使えるセキュリティでした。今では、醸造データやレシピなどの企業秘密を守りながら、彼らのチームはどこでも仕事ができます。

Windows 365で、クラウドのWindows 11に移行する

エンドポイント資産のモダン化に取り組む際、Windows 10 PC を使用しているユーザーを Windows 365 を使用して、クラウド上の Windows 11 に移行するという選択肢もあります。ユーザーの方は常に最新の Windows 11 で、最新のセキュリティ保護を有効にしてご利用いただけます。

Windows 365 サブスクリプションには、Windows 365 にアクセスする Windows 10 デバイスのための拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) が追加費用なしで含まれることになりました。

組織によっては、古い Windows 10 PC をより長く使い続けるためのオプションや柔軟性を求めているシナリオがあるかもしれません。ESUとWindows 365でWindows 10 PCの寿命を延ばすことは、一部の業務システムをサポートしながらWindows 11に移行するための現実的な可能性となります。3年間まで、デバイスの寿命を延長することができます。

Windows 365は最近、フロントラインやシフト制勤務のユーザー向けに新しいサービスオプションを一般利用できるようにしました。ユーザーが専用のPCを使用せず、共有のデバイスや古いデバイスを使用している場合でも、Windows 365を使用してWindows 11にアクセスすることができますが、このようなシナリオでも、古いWindows 10 PCの使用を拡張することができます。

Windows 365 で Windows をクラウドに拡張する詳細はこちらをご確認ください。Windows 365 のブログ記事では、最新機能、導入ガイダンス、ベストプラクティスに関する詳細な情報を提供しています。

Windows 10の拡張セキュリティ更新プログラム (ESU:Extended Security Update)

マイクロソフトでは、Windows 11への移行を強く推奨していますが、EOSの期日までにWindows 10デバイスを交換できない事情があることも理解しています。そのため、マイクロソフトは延長セキュリティ更新プログラム (ESU:Extended Security Update) をご提供することとなりました。

Windows 7のESUプログラムと同様に、お客様の組織はセキュリティ更新プログラムの年間サブスクリプションを購入いただくことができるようになります。年間契約は3年間更新可能で、ESUに登録されたデバイスには、Windows 10 PCのセキュリティを維持するためのセキュリティ更新プログラムが毎月提供されます。

Windows 10 の ESU プログラムには、Critical (緊急) および/または Important (重要)」なセキュリティ更新プログラムが含まれます。ESU には、新機能、お客様からのご要望によるセキュリティ以外の更新、設計変更のご要望は含まれません。また、ESU そのもの以外の技術サポートをお受けいただくことはできません。

  • Windows 365をご利用のお客様には、Windows 11が動作するクラウドPCに接続するWindows 10デバイスに対して、追加費用なしでESUが提供されます。
  • Azure Virtual DesktopでWindows 10インスタンスを実行している場合、これらの仮想マシンでもESUが追加料金なしで利用できるようになります(Consumptionは含まれません)。

個人ユーザー向けのESUプログラムも含め、ESUプログラムの今後のアップデートにご期待ください。


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