2024年9月25日 2:02 PM

Microsoft 365 Copilot Wave 2: SharePoint と OneDrive にもたらされる AI イノベーション

※ 本ブログは、米国時間 2024/9/16 に公開された “Microsoft 365 Copilot Wave 2: AI Innovations in SharePoint and OneDrive” の抄訳です。

本日、Satya Nadella と Jared Spataro は、Microsoft 365 Copilot イノベーションの Wave 2 を発表しました。これには、プロセスの自動化と効率化を促進する新しい Copilot エージェント (英語) も含まれ、コーチ、ブレインストーミング パートナー、フィールド サービス技術者といった特定分野のエキスパートの知識を備えたエージェントをだれでも簡単に作成できるようになります。これらの更新は、お客様が Copilot を利用する価値を大きく向上させるものです。Copilot イノベーションの Wave 2 においては、SharePoint と OneDrive が重要な役割を担います。

SharePoint は、大企業向けのコンテンツ管理プラットフォームの基盤となり、OneDrive、SharePoint サイト、Teams、Loop、Stream などの管理が強化されます。SharePoint の堅牢なコンテンツ サービスによって、チームのコラボレーション、ビジネス プロセス、ナレッジ管理、従業員間のコミュニケーションが円滑になります。また、SharePoint には数億人のアクティブ ユーザーによって 1 日に 25 億以上のファイルが追加されることから、Copilot エージェントはそれらの膨大で有益な組織のナレッジやインサイトを活用できるようになります。

このたび、SharePoint の Copilot エージェントのパブリック プレビューを発表します。この新しいエクスペリエンスによって、あらゆるユーザーが特定の目的のために SharePoint 内からエージェントを簡単に作成、共有することが可能になります。コーディング スキルは必要なく、わずか数クリックで組織のセキュリティ ポリシーを遵守しながら、SharePoint で Copilot エージェントを作成し共有することができます。この Copilot エージェントは、ユーザーの代わりに関連資料に関する質問に答え、資料について推論するなど、豊富な知識を持つチームメイトのように動作します。SharePoint の Copilot エージェントは、10 月上旬にパブリック プレビューが開始される予定です。

OneDrive は、Microsoft 365 の共通のファイル エクスペリエンスであり、スタンドアロン、Teams、Outlook、Microsoft 365 アプリのいずれからでも共通の場所にあるすべてのコンテンツにアクセスできます。こうしたことから、私たちは今回 Copilot in OneDrive を発表しました。Copilot in OneDrive を使用すれば、今まで以上にすばやく OneDrive 内のファイルの内容を要約したり、探している情報を見つけたり、複数のファイルを比較したりすることが可能になります。この機能は現在ロールアウト中で、9 月末までには一般提供が開始される予定です。

Copilot in SharePoint は、既にお客様へのロールアウトを開始しており、今年後半には追加機能が提供される予定です。Copilot in SharePoint を使用することで、サイト作成者は AI と自然言語を活用してページの文面を編集したり、魅力的なサイトを作成したりすることができます。方法は簡単で、どのようなページにしたいかを説明するだけです。その説明をもとに Copilot がページを作成してくれます。

SharePoint の Copilot エージェントの使用で生産性を大幅にアップ

わずか数クリックでエージェントを作成: 特定のニーズを満たす AI ツールの使用の最初のステップとしておすすめなのが、SharePoint の Copilot エージェントを作成することです。まず、Copilot を独自の要件に応じてカスタマイズし、それを同じナレッジ ベースを使用するチームメイトと共同で使用することで、重要な意思決定を効率化したり、調査に費やす時間を削減したりして、その分の時間をより有意義な業務に振り向けられるようになります。このエージェントは、SharePoint 内の作業しているその場所から作成することができます。

SharePoint で Copilot エージェントをワンクリックで作成できる

SharePoint で Copilot エージェントをワンクリックで作成できる

SharePoint の Copilot エージェントは、自分の作業のためだけでなく、チームメイトや別の部門の関係者と知識を共有したり、チームワークを強化したりするために使用するとさらに効果的です。たとえば、今四半期に複数のチームメイトと共同で進めることを予定しているプロジェクト用に Copilot エージェントを作成したいとします。その場合、SharePoint のドキュメント ライブラリから必要なフォルダーやファイルだけを選択し、あとは 1 回クリックすれば新規のエージェントが作成され、すぐに使い始めることができます。Copilot エージェントは、範囲指定された SharePoint コンテンツ セットについて推論し、それをもとに質問への回答、情報の要約、有益なインサイトの提供を行うなど、最新の正確な応答を行います。

SharePoint の Copilot エージェントはすぐに使用、共有、編集できる

SharePoint の Copilot エージェントはすぐに使用、共有、編集できる

セキュリティを重視した設計: エージェントの作成はファイルの作成と同じくらい簡単です。SharePoint のエージェントは、作成が開始されたサイトで Copilot ファイルとして保存されるため、サイトのコンテンツで一貫した管理とガバナンスが維持されます。

サイト メンバーなど、SharePoint サイト上の編集権限を持つユーザーは、選択したコンテンツを対象範囲としたエージェントを作成できます。そのエージェントは各ユーザーの SharePoint 権限と組織のセキュリティ ポリシーに従うほか、他の Microsoft 365 データと共に Microsoft 365 の信頼境界内にとどまります。

エージェントのカスタマイズ: SharePoint で作成したエージェントをさらにカスタマイズするには、編集ボタンをクリックして、ファイルの追加、ブランディングの更新、スターター プロンプトの変更などを行います。Copilot Studio であれば、ワークフローを自動化するアクションを追加したり、SharePoint 以外のデータ ソースを追加するなどの高度なカスタマイズによって、エージェントを簡単に強化できます。

Copilot エージェントはコピーや共有ができる

Copilot エージェントはコピーや共有ができる

共有とコラボレーション: Copilot エージェントは、他の Microsoft 365 生産性アプリと同様に、簡単に Teams チャットに追加したり、メールでリンクを共有したりして、他のユーザーとのコラボレーションに使用できます。エージェントとやり取りするには、@メンションするだけです。

このエージェントを特定のプロジェクトでコラボレーションする相手と共有すれば、チームワークが円滑になるだけでなくナレッジ共有が強化されるため、最新の同じ関連情報に基づいて意思決定を下せるようになります。

Copilot エージェントを Teams チャットで共有し、@メンションしてやり取りを開始できる

Copilot エージェントを Teams チャットで共有し、@メンションしてやり取りを開始できる

SharePoint サイトを対象範囲とした組み込みの Copilot エージェント: SharePoint サイトには、ユーザーが作成した Copilot エージェントに加え、そのサイト内のすべてのコンテンツを基盤とした既成の Copilot エージェントが組み込まれています。この Copilot エージェントはサイト メンバーならだれでも使用でき、質問したり、サイト内の情報からインサイトを得たりすることができます。

Copilot エージェントの活用のヒント: ここでは、SharePoint でのどのようなニーズに合わせてどのように Copilot エージェントを活用すればよいかについて、いくつかヒントをご紹介します。

  • エージェントは、あらゆる人のオンボーディングや移行の支援に活用できます。自分が新しい役職に慣れるためや、新チームに移行する際に現チーム メンバーにサポートやガイダンスを提供したりするのに役立ちます。
  • マーケティング部門では、リリース用のエージェントを作成することができます。部門を横断する大規模なチームでは、さまざまなマーケティング文書を絞り込んで推論し、重要な日付や成果物を把握して、意思決定や次のステップを行うために役立てることができます。
  • 営業部門では、対話型エージェントを作成すると便利です。Copilot が顧客の詳細情報や過去のやり取りに基づいて適切な質問やコンテンツを提案し、会話とエンゲージメントを最適化してくれます。
  • 人事部門では、新入社員に企業ポリシーを案内したり、瞬時に適切な回答を提供したりできるオンボーディング用のエージェントが役に立ちます。
  • カスタマー サービス部門では、顧客の問い合わせに適した対処方法を特定して対応できる、トリアージ用のエージェントを作成できます。また、問い合わせの傾向を特定し、よくある問題については解決策を提案してくれます。
  • エンジニアリング部門や製品サポート部門では、フィールド インシデント レポート用のエージェントを作成すれば、現場から報告された問題の種類を分析したり、優先対応すべき製品上の問題の分析情報を提供したりするのに役立てられます。

SharePoint の Copilot エージェントを活用すれば、簡単に知識を深め、チームのコラボレーションを強化し、作業中の業務効率を高めることができます。10 月上旬に SharePoint でパブリック プレビューが開始されますので、ぜひお試しください。

Copilot in OneDrive で業務効率をアップ

Copilot in OneDrive は、必要なファイルやコンテンツをすばやく見つけ、生産性を向上させ、日々の業務を効率化することを目的に設計されました。ファイルを開くことすら、必要ではなくなります。

OneDrive のホーム画面。Copilot のドロップダウン メニューが表示された状態

OneDrive のホーム画面。Copilot のドロップダウン メニューが表示された状態

ファイルをすばやく要約: OneDrive ですばやく重要な情報を抽出できれば、生産性が向上します。Copilot in OneDrive を使用すれば、OneDrive Web アプリ内のファイルの内容を簡単に要約できます。ファイルは複数にも対応しており、各ファイルを開く必要もありません。また、ドキュメントからよくある質問 (FAQ) を生成し、参照用のアセットとして使用したり共有したりすることが可能です。たとえば、長期休暇から戻ったら OneDrive でワンクリックするだけで、プロジェクトの計画や会議の議事録の要約を作成して確認できるため、仕事の遅れをすぐに取り戻せます。

Copilot in OneDrive のドキュメントの要約

Copilot in OneDrive のドキュメントの要約

ドキュメントを簡単に比較: 探しているデータを見つけたり、複数のファイルの違いを特定したりするのは、時間のかかる作業です。Copilot を使用すれば、最大で 5 つのファイル間の詳細な比較情報を確認することができます。ファイルの形式は、Word、PowerPoint、PDF など、異なるものの組み合わせにも対応しています。これにより、把握したい情報を大まかに理解することができます。

選択した 2 つのドキュメントで比較機能を使用すれば、違いを表で示してくれる

選択した 2 つのドキュメントで比較機能を使用すれば、違いを表で示してくれる

特定のコンテンツからほしい情報を取得: プロジェクトの進行に必要な情報がすぐに欲しい場合には、関連するドキュメントを選択し、Copilot に必要な情報に関する質問をすれば、すぐにインサイトを取得して、プロジェクトの進行に活かせるようになりました。

選択した 2 つのドキュメントに関する質問をすれば Copilot が答えてくれる

選択した 2 つのドキュメントに関する質問をすれば Copilot が答えてくれる

このように、コンテンツの要約、関連ファイルについての質問と回答、ドキュメント比較といった新しい Copilot in OneDrive の機能を使用すれば、既存のコンテンツを最大限に活用することができます。

Copilot in SharePoint で SharePoint サイトを簡単に構築

毎月、数百万人のユーザーが SharePoint でサイトやページの作成や編集を行っています。Copilot in SharePoint では、ユーザーの言葉から魅力的なサイトやページを作成できるようになりました。ユーザーは AI と自然言語を使用して、ページを編集したり、コンテンツの充実したサイトを作成することができます。

画面の置き換えやリライトが可能なリッチ テキスト エディター

画面の置き換えやリライトが可能なリッチ テキスト エディター

最適な文体に合わせて文章をリライト: リッチ テキスト エディターを使用すれば、SharePoint のサイトやページに表示するメッセージの調整を効率化したり、より魅力的な文章にするための提案を活用したりできます。

自然言語を使って魅力的なページを作成: 訴求力のある魅力的な SharePoint ページを簡単に作成できるようになりました。Copilot に、どのようなコンテンツを作成したいか、言語、文体などのさまざまな情報を入力すれば、ユーザーの代わりに作成してくれます。また、既存の Word 文書や PowerPoint プレゼンテーションを Copilot に提供すると、それらのコンテンツから魅力的なページに変換してくれます。

Copilot in SharePoint では、新しい SharePoint のユーザー エクスペリエンスのあらゆる機能を活用して、より魅力的で訴求力のあるコンテンツを作成することが可能です。この機能を使ってできることは以下のとおりです。

  • ブランディングとテーマの適用
  • 文字体裁とフォントの調整
  • グリッドとレイアウトの作成
  • 動画と画像の追加
  • アニメーションとモーションの使用

Copilot in SharePoint を使用することで、自社ブランドを忠実に反映しながら、最新のデザイン要素が確実に組み込まれたサイトを作成することができます。

Copilot in SharePoint

利用を始めるには

マイクロソフトは、Copilot イノベーションの Wave 2 の一部である OneDrive と SharePoint の新機能を皆様にお届けできることを嬉しく思っています。新機能の多くはロールアウトが開始されているため、すぐにご利用いただけます。一部の機能は数週間後にプレビューが開始されます。

  • SharePoint の Copilot エージェントは、10 月上旬にパブリック プレビューが提供されますので、楽しみにお待ちください。
  • 10 月 16 日には、Copilot エージェントと SharePoint 製品のエキスパートによる「Meet the Makers エピソード (英語)」が限定公開されますので、ぜひご覧ください。
  • Copilot in OneDrive は現在ロールアウト中で、9 月中にすべての機能が利用可能になる予定です。
  • その他の詳細情報は、10 月 8 日開催予定のイベント「Microsoft OneDrive: AI Innovations for a New Era of Work and Home (英語)」でご確認ください。
  • Copilot in SharePoint の文章リライト機能は現在ロールアウト中で、自然言語によるページ作成は 2025 年初めに提供予定です。

 

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