People Skills の一般提供開始と新しい Skills エージェントを発表
※本ブログは、米国時間 4 月 23 日に公開された “Announcing People Skills general availability and new Skills agent” の抄訳を基に掲載しています。
ビジネスと人を理解する AI
このたびマイクロソフトは、People Skills の一般提供を開始しました。People Skills は Microsoft 365 Copilot、Microsoft 365、Viva のアプリやサービスのポートフォリオにおける新しい強力なデータ レイヤーであり、これまで Skills in Viva として提供していたサービスをさらに進化させたものです。
また、このデータ レイヤーを基盤とした新しい Skills エージェントも発表します。この Skills エージェントを使用すると、リーダーはプロジェクトに適したスキルを持つ動的なチームを編成でき、従業員は必要なスキルを持つ人物を見つけてつながることができます。
People Skills を使用すると、Copilot と Skills エージェントが企業の柱である人材について理解できるようになります。この革新的なグラウンディング ソースによって、既に Copilot に組み込まれている重要な業務コンテキストが拡張され、ビジネスと人材の両方を深く理解する生成 AI エクスペリエンスを初めて作成することが可能になりました。
People Skills データ レイヤーは、2025 年 5 月に開催される Microsoft Build で Microsoft 365 Copilot および Viva のユーザー向けに一般提供を開始する予定です。
Skills エージェントは 2025 年 6 月に提供を開始する予定です。
概要
People Skills は、ユーザーのプロファイルとアクティビティから取得した個人のスキルセットを推論し、カスタマイズ可能な組み込みのスキル分類にマッピングします。このデータ レイヤーが Skills エージェントの燃料となり、組織内の人材に関するコンテキストを考慮した情報によって Copilot チャット、Microsoft 365、Viva サービスが強化されます。
People Skills では、この高度な AI ベースのスキル推論手法を日常業務のツールに組み込み、管理者とエンド ユーザーの両方に対応する堅牢なプライバシー制御および可視性制御と組み合わせることによって、リーダーは重要な従業員のスキルに関するインサイトを取得して AI 変革への準備と導入を加速させ、従業員はパーソナライズされたスキル プロファイルとキャリア成長ツールを活用できるようになります。
Skills エージェント
新しい Skills エージェントは、リーダーと従業員が常に組織全体の最新情報を入手し、すばやく対応し、成長を促進するために役立ちます。
従業員は Skills エージェントを使用することで、スキルの向上に役立つ情報や Copilot を最大限に活用する方法をすばやく見つけたり、組織内でエキスパートを探したり、同僚のスキルセットを把握したりすることができます。
一方、リーダーは、Skills エージェントを使用して人材の強み、ギャップ、機会に関する最新情報を入手し、それを優先度の高いプロジェクトへの人員配置といった戦略的な人材計画の判断に活かすことができます。
リーダーおよび組織による People Skills の活用
ビジネス リーダーやアナリストがスキルベースの組織に関する詳細なインサイトを活用できるように、マイクロソフトは Copilot Analytics に新しい Skills 状況レポートを導入しました。このレポートでは、リーダーやアナリストが人事属性などの組織データでフィルタリングを実行し、関連するグループ向けに表示を絞り込むことができます。また、Skills 状況レポートのデータは、カスタム分析を行うためにエクスポートすることも可能です。
Skills 状況レポートは 2025 年 6 月から Viva Insights で提供を開始します。このレポートには以下の 4 つのレポート ページが含まれます。
Introduction ページでは、スキル推論がどのように生成されたかを確認できます。また、レポート パラメーターをカスタマイズできるほか、個人プロファイルで確認されたスキルに対する組織の進捗状況のスナップショットが表示されます。
Top skills ページには、よく使用されるスキルが表示され、組織内のスキルの専門分野を把握できます。
Deep dive ページでは、サブスキルや類似のスキルといった特定のスキルの詳細を掘り下げ、特定分野のスキルを持つ人材の情報を包括的に把握することができます。
また、この Deep dive ページでは、選択したスキルを使用している人数をグループ別に把握できるほか、時間の経過に伴う成長の傾向や、全チームを対象としたスキル集中度のヒートマップ ビューによる分析情報も得られます。
Hierarchy ページでは、スキル間の関連性や、自社のスキル分類がどのような構造になっているかを確認することができます。また、ビジネスにとって特に重要なスキルを詳細に分析することもできます。
従業員による People Skills の活用
従業員は People Skills を活用することで、専門的な情報を検索しやすくなったり、努力して獲得した能力を速やかに提示したり、キャリア形成を促進したりすることができます。People Skills の基本原則として、すべての従業員は自分のスキルを編集、更新、カスタマイズする権限を持ちます。必要な場合は、スキルの共有や推論をオプトアウトすることも可能です。
People Skills は、Microsoft 365 Copilot、Skills エージェント、Microsoft 365 プロファイル カード、Microsoft 365 プロファイル エディター、Org エクスプローラー、People コンパニオン、Viva Learning といったさまざまなアプリやサービスで複数の従業員シナリオを実現します。
以下の動画では、People Skills がこれらのエンドポイントのワークフローにおけるエクスペリエンスをどのように強化し、連携させているかを紹介しています。
推論エンジン
People Skills の推論エンジンは、Microsoft 365 のプロファイルや、Microsoft Graph から得られるドキュメント、メール、チャット、会議などのアクティビティ シグナルを使用して、組織内の個人用にパーソナライズしたスキル プロファイルを作成します。
推論エンジンは最新の OpenAI LLM モデルを搭載しており、ゲーム理論の原理に基づく独自の推論アプローチと、関連する Microsoft Graph のデータ全体で多面的な推論を実行するマルチエージェント フレームワークを備えています。このスキル抽出エコシステムは、独自のロジックで動作するシミュレートされたエージェントのペルソナを活用することで、適切なシグナルを捕捉し、多様な特定のスキル プール向けに最適化し、入力シグナルと出力スキルの間の予測可能性を向上させます。この独自のアプローチと、基盤となる豊富な Microsoft Graph のデータの組み合わせによって、各ユーザーのスキル プロファイルが正確に生成されます。
People Skills の推論エンジンは、正確なスキル プロファイルを生成するだけでなく、次のような特長もあります。
- 更新頻度が高いため、常に最新データに基づいて推論を実行でき、関連性が維持される
- エンド ユーザーによる操作は一切不要 (メモ: ユーザーは常に自分のスキル推論、プロフィール表示、可視性の設定を制御できる)
- マイクロソフトが推奨する構成を使用する場合、Microsoft 365 管理センターからのセットアップは 5 分未満で完了する
- 管理者とユーザーの両方のレベルで、堅牢なプライバシー制御と可視性制御が可能
これまでは、関連性の高いスキル情報を企業が把握することは容易ではありませんでした。しかし、最新データに基づく正確なスキル推論エンジンを構築できるようになり、エンド ユーザーの操作を必要とすることなく簡単にセットアップして、日常業務のツールに組み込むことが可能になりました。このため、これまで存在していた根本的な問題を解決できるようになったとマイクロソフトは考えています。
柔軟な分類アプローチ
People Skills にはスキル分類管理への柔軟なアプローチが含まれており、スキル活用を促進する取り組みのどの段階でも対応できるように設計されています。これには以下のオプションがあります。
オプション 1 – 組み込みのスキル分類を使用する
People Skills には、LinkedIn との提携によって開発された、16,000 以上のスキルを分類するスキル分類機能が組み込まれています。この分類に含まれる 16,000 以上のスキルのそれぞれが、スキル名、スキルの説明、関連スキル、スキル階層におけるスキルの位置付け、このスキルを持つ傾向のあるロール、職場でスキルがどのように活用されるかに関するより詳細なコンテキスト情報といった、埋め込みデータのセマンティックな記述を豊富に含んでいます。これらの情報によって、People Skills の推論モデルはスキルが発揮されるタイミングを判断します。
この分類は初期状態のまま使用することも、必要に応じてカスタマイズすることもできます。管理者は、編集機能を使用してスキルの削除や追加を行うことができます。
オプション 2 – 独自のカスタム スキル分類を使用する
組み込みのスキル分類手法を使用するのではなく、独自のカスタム スキル分類手法をインポートすることもできます。
プライバシーと可視性の制御
マイクロソフトは責任ある AI への取り組みとプライバシー保護を重視しており、お客様が安心して導入を進められるよう支援します。People Skills では、管理者とユーザーの両方のレベルで堅牢なプライバシーの制御と可視性の制御が可能です。管理者は、ユーザー、グループ、またはテナント全体のニーズに応じてこれらの制御を設定できます。
下記のように、ユーザーはいつでも Microsoft 365 プロファイルを制御することが可能で、スキル推論をいつでも無効化したり、表示されないように設定したりすることができます。
スキル推論の制御:
- 管理者はスキル推論を自動でオンにできます (各ユーザーが個別にオプトアウト可能)。
- 管理者はスキル推論を自動でオフにできます (各ユーザーが個別にオプトイン可能)。
- 管理者はテナントのスキル推論を無効にできます。
スキル可視性の制御 – ユーザーが連絡先カードや Copilot などの画面上で同僚のスキルを確認できるようにすることができます。
- 管理者はスキル可視性を自動でオンにできます (各ユーザーが個別にオプトアウト可能)。
- 管理者はスキル可視性を自動でオフにできます (各ユーザーが個別にオプトイン可能)。
- 管理者はテナントのスキル可視性を無効にできます。
お客様からのフィードバック
People Skills は既に 10 万人以上のマイクロソフトの従業員に使用されており、プライベート プレビューには 10 社のお客様が参加されています。プレビューにご参加のお客様からは詳細な分析情報やフィードバックをお寄せいただき、推論エンジンを微調整するたびに反復的にご協力いただいており、大変感謝しております。ここではそうしたお客様の声をいくつかご紹介します。
– Sharon Doherty 氏、最高人材・空間活用責任者、Lloyds Banking Group
– Lindsay-Rae McIntyre、最高ダイバーシティ責任者兼人材および学習担当コーポレート バイス プレジデント、マイクロソフト
– Marcus Haure 氏、主任製品責任者、Grundfos
– Leah Colson、グローバル人材管理担当 GM、マイクロソフト
サードパーティ サービスの統合
People Skills には、一般提供時に次のサードパーティ統合機能が追加されます。
- サードパーティのスキル分類のインポート (前述の「柔軟な分類アプローチ」セクションを参照)
- Microsoft 365 の組織データを通じたユーザーのスキル プロファイルのインポート
- プロファイル API を通じたユーザーが確認済みのスキル プロファイルのエクスポート
これらの統合の目的は、People Skills と個々のスキル プロファイルを既に使用中の他のスキル システムと連携させることです。今後もサードパーティとの統合機能を強化していく予定です。
ライセンス
People Skills は、Microsoft 365 Copilot または Viva* のライセンスに含まれているため、別途ライセンスを購入する必要はありません。社内で Microsoft 365 Copilot または Viva ライセンスが割り当てられているすべてのユーザーが、People Skills 推論エンジンを使用できます。
ユーザーが Microsoft 365 の基本ライセンスでカバーされている場合、改善されたスキル エクスペリエンスも利用できるため、分類からスキルを検索したり、Microsoft 365 プロファイル エディターから手動でスキルを追加したりすることも可能です。
ライセンスまたはアクセスについてご不明な点がありましたら、マイクロソフトの担当者までお問い合わせください。
* スキル推論は、Viva C&C (コミュニケーションおよびコミュニティ) オファーには含まれませんのでご注意ください。
使用を開始する
2025 年 5 月の People Skills の一般提供に向けて、現時点では以下のような準備を行っていただくことができます。
- People Skills に関する情報を組織で共有し、プライバシーやコンプライアンスに関する承認が必要かどうかを確認する。当社の製品はマイクロソフトの責任ある AI に関するガイドラインに準拠しています。また、機能アクセス管理を使用したアクセス制御を提供することで、お客様がユーザーのプライバシーと各地域の規制を遵守しながら、安心して導入していただけるようにしています。
- シナリオを確認して、Microsoft 365 Copilot または Viva をセットアップする。一般提供の開始後は、スキル データがすべての対応プラットフォームで使用できるようになります。すぐにスキル データと連携してご利用いただけるように、事前にライセンスを割り当て、サービスをセットアップしておくことをお勧めします。
これ以外の関連するドキュメントや展開ガイドも 5 月に公開予定です。
今後の展望
マイクロソフトは、People Skills のイノベーションと機能拡張を続ける中で、お客様の AI 変革とパーソナライズされたスキル開発を支援し続けることを目指しています。今後の更新では、AI 推論手法の改良、Copilot + Skills エージェントのユースケースの拡充、AI が職場のスキルやタスクに与える影響の理解に基づく革新的な機能の構築に重点的に取り組んでいきます。
マイクロソフトは AI 主導のビジネスの成功に必要なツールを開発し、改良を続けることで、今後も魅力的な機能をお届けします。
5 月 6 ~ 8 日にはラスベガスで Microsoft 365 Conference が開催され、5 月 19 ~ 22 日にはシアトルで Microsoft Build が開催されます。ぜひご参加いただき、ライブ デモやマイクロソフトの製品エキスパートへのご質問の機会になさってください。
People Skills は、まもなく Copilot、Microsoft 365、Viva のエクスペリエンスに導入されます。どうぞご期待ください。










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