SE曳野の仮想デスクトップとAI / 開発内製化シリーズ 第1回
作りたいものは、現場が知っている。あなたのチームでも内製化を始めませんか? 環境・スキル・資産の3つの壁と、Windows 365 × GitHub Copilot × GitHub Enterprise Cloud Endpoints と呼んでいる、Windows 365 や Azure Virtual Desktop のソリューション エンジニアを務める曳野(ヒキノ)と申します。「SE曳野の仮想デスクトップとAI」と題して、私たちの仮想デスクトップサービスとAIやエージェントの関係性を中心にブログをお届けしています。今回から3回にわたり、「開発内製化」をテーマにお話しします。これまでの連載では、人とエージェントがどこで働き、どの仕事を受け持つかを、“座席表”という言葉で考えてきました。今回は、その座席表に「現場で使うものを、自分たちで作る席」を加えます。座るのは、もともとソフトウェア開発を専門にしていた人だけではありません。毎月の集計に困っている人、説明資料を直している人、設備や業務のことをよく知っている人です。執筆者:日本マイクロソフト株式会社 クラウド&AIソリューション事業本部 ソリューション エンジニア 曳野 洋幸 図1:現場の知識を、作る力へ。開発内製化ソリューション紹介資料・スライド1のイラストより。 はじめに:「これ、自分たちで直せたらいいのに」 月末、いくつものファイルを開き、必要な列だけをコピーして一つの表にまとめる。終わったと思ったら、会議用の資料にも同じ数字を転記する。翌月には集計する分類が一つ増えて、また手順を直す。そんな仕事に心当たりはないでしょうか。 あるいは、新しい担当者が来るたびに、同じ操作を説明している。「この手順、短い動画にしておけたら」。申請の状況をメールで追いかけている。「一覧で確認できる小さなアプリがあれば」。何を作りたいかは、すでに現場にあります。 それでも、実際に作るところまでは進まない。開発環境を用意できない。コードが分からない。作った後に誰が面倒を見るのか決まっていない。一つずつはもっともな理由ですが、重なると「今回も手作業で」が続いてしまいます。 この3回では、その状態から最初の一歩を踏み出す方法を考えます。第1回は全体像、第2回は具体的な作り方と別の仕事への応用、第3回はチームで続けるための効果測定と役割分担です。読み終えたときに、自分の部署で最初に試す題材を一つ選べる。まずは、そこを目指しましょう。 月次レポートの「作り方」を変えてみる 最初の題材として、CSVファイルから月次レポートを作る仕事を考えてみます。以下は特定企業の導入事例ではなく、利用場面を具体化するための例です。 今は担当者が、対象月のデータを選び、部署ごとの件数を数え、分類別の内訳を作り、Excelに整えています。ここで欲しいのは、入力ファイルを選ぶと集計表を作ってくれる、小さなツールです。会社全体のシステムを作り直す必要はありません。 作業 いまの進め方 目指す使い方 対象データの抽出 担当者が毎回、日付と条件を指定する 対象月と条件を指定して処理する 分類と集計 表計算の操作を繰り返す 確認済みの処理で同じ集計を行う… Read more