複合現実 (MR) の幕開け -Windows Holographicをパートナーに公開
※本ブログは、Windows Experience Blog “Opening Windows Holographic to Partners for a New Era of Mixed Reality” の抄訳です。
本日 Computex において、Nick Parker、Alex Kipman と共に登壇し、PCからゲームやIoT、さらにその先の Windows エコシステムを実現するすばらしい最新デバイス (英語) の登場をお祝いするとともに、近日リリースされる Windows 10 Anniversary Update がどのような新しいイノベーションを巻き起こし、モダンなコンピュータデバイスによってどのような可能性が生まれるのかをお伝えしました。
本日の私たちのプレゼンテーションの大ニュースは、コンピューティングの未来に向けた展望です。現実世界と仮想世界が交じり合う世界では、Windows プラットフォームはさらなる拡張を遂げる可能性を秘めています。
Windows 10 の開発に着手して以来、マイクロソフトはより進化したパーソナル コンピューティングを実現するために試行錯誤を繰り返し、日常生活に溶け込むほどにデバイスを自然に使えるようにすること、ユーザーがどのデバイスを使用しているときにも一貫したエクスペリエンスを提供すること、セキュリティを念頭に徹底的に信頼性を確保することを目指してきました。Windows 10 を実行するアクティブ デバイス数が 3 億台を突破したことは、幸先のよいスタートを切れたと言えるでしょう。
本日より、我々は次のフロンティア -複合現実 (MR – Mixed Reality) へと踏み出します。世界を認識し、把握する能力を持つデバイスを提供し、仮想現実と物理的実体の間にある壁を取り払うことを我々は「複合現実」と呼んでいます。VR デバイスを装着した状態で、自分の手が物を動かしているところを見る、現実世界の物体をスキャンした 3D イメージを操作する、別のユーザーのホログラムを仮想世界に投影して一緒になにかをする、そんな世界を想像してみて下さい。そうした世界では、ユーザーがどこにいても周囲の環境がデバイスによって空間的にマッピングされ、箱を持ち上げたり椅子に座ったりすることものと同じくらい簡単、かつ自然にデジタル コンテンツを操作することができます。次の会議にテレポートしたり、チーム全員で一緒に旅行に出かけることもできるでしょう。
仮想現実 (VR) デバイスの市場は、2020 年までに、年間 8,000 万台になるだろうと言われています。しかし、今日のデバイスやエクスペリエンスは互いに連携せず、ユーザー インターフェイス、インタラクション モデル、入力方法、周辺機器、コンテンツはデバイスごとに異なります。ほとんどの VR エクスペリエンスでは現実世界の人物、物体、周囲の環境を仮想世界と融合することができないため、何かを作成したり共同作業を行ったりといったことが困難です。それは、人間、環境的、あるいは物理的な見識を欠いているためで、それらは既に Windows 10 に組みこまれています。
本日、マイクロソフトは、Windows Holographic があらゆる形状や大きさのデバイスとなり、没入感に極めて優れた仮想現実から、制約から解き放たれたホログラフィック コンピューティングを実現することを発表します。そして、同日、OEM、ODM、開発パートナーの皆様に、Windows Holographic プラットフォームを活用した PC、ディスプレイ、アクセサリ、複合現実デバイスを開発していただくことを呼びかけました。
パートナー様にとっては、デバイスやエクスペリエンスの可能性が広がり、新しいビジネス チャンスを生み出すことにつながります。開発者は今すぐに Windows Holographic アプリの開発に取りかかることができます。そして、これから広がる新しいデバイスへとその力を広げられます。
我々は、Intel, AMD, Qualcomm, HTC, Acer, ASUS, CyberPowerPC, Dell, Falcon Northwest, HP, iBuyPower, Lenovo, MSI など、多数のパートナー企業と協力して、Windows 10での未来の仮想現実のエクスペリエンスの実現に向けて、ともに歩めることに興奮しています。また、将来のパートナーエコシステムに向けて、Windows Holographic を公開したことが楽しみでなりません。
Windows: 唯一の複合現実プラットフォーム
Windows Holographic を含む Windows 10 は、現在、Microsoft HoloLens で体感ができる複合現実を支えるプラットフォームであり、ホログラフィック シェルやインタラクション モデル、ホログラフィック、認知用 API、Xbox Live サービスが提供されます。
Surface での市場へのアプローチと同様に、HoloLens を開発するにあたっての我々の取り組みは限界を押し上げ、エコシステム全体にチャンスが訪れることを目指しています。
3 月にはMicrosoft HoloLens Development Edition の出荷を開始し、すでにNASA (英語)、ボルボ (英語)、ロウズ (英語) をはじめ、さまざまな業界のお客様が、この大きな可能性を秘めたホログラムを既に活用しています。ホログラフィック アプリはユニバーサル Windows アプリであり、すべてのユニバーサル Windows アプリは Windows Holographic プラットフォームで実行できるため、開発者には多大なチャンスがもたらされるはずです。実際に、Windows Holographic 上で実行できる多数のユニバーサル Windows アプリが早くも Windows ストアで公開されています。コミュニティの皆様が Windows Holographic を活用して非常に独創的なアプリを生み出しているのを目にして、私たちは感銘を受けるばかりです。YouTube では、ガーデニング (英語)、建築 (英語)、ファッション デザイン (英語)、ドローンの操作 (英語)、その他のアプリ (英語) など、多岐にわたる活用例を動画でご覧いただけます。
パートナーのみなさまの複合現実の世界への参入を歓迎します
この新しい複合現実の世界を実現するために、皆様にもご協力いただければ幸いです。ご興味がありましたら、WinHEC.comにアクセスし、今秋に深圳と台北で開催される WinHEC の詳細情報をご確認ください。
パートナーの皆様が Windows Holographic とともに生み出す世界が待ちきれません。
-Terry Myerson