Microsoft Mesh: モダン ワークプレースでの従業員のつながり方が変わる
※ 本ブログは、米国時間 5/23 に公開された “Microsoft Mesh: Transforming how people come together in the modern workplace” の抄訳です。
今日、柔軟な働き方を取り入れている職場では、さまざまな場所にいる、タイム ゾーンの異なる従業員どうしが、コラボレーションやコミュニケーションを支援するデジタル ツールを活用しながら共に働いています。場所や時間を問わないこうした柔軟性は多くの人が望んでいたものですが、一方で、職場では欠かせなかった人と人とのつながりが失われることにもなりました。マイクロソフトの Work Trend Index 調査によると、柔軟なワークスタイルに移行した組織では、チームのサイロ化が進み、リモート ワーカーの孤立感が増しているという結果が出ています。
そうした社会的資本の再構築は、従業員とビジネス意思決定者の双方にとって最優先課題です。ビジネス リーダーの 43% は、柔軟なワークスタイルにおける最大の課題は人間関係の構築だと考えています。リモート ワークや柔軟なワークスタイルへの移行に際しては、テクノロジが生産性の維持に大いに貢献しました。それと同じように、人間関係の構築にも、物理的な距離を超えて従業員どうしが有意義な関係を築くためにテクノロジを活用できると、マイクロソフトは考えています。
Microsoft Mesh は、柔軟なワークスタイルの従業員がより自然な方法で他の従業員と同じ場所にいるような感覚でつながることができる共有イマーシブ エクスペリエンス プラットフォームです。これを活用することで、財務的な負担や、交通・出張費、設備運用に伴う環境負荷を削減できます。Mesh は Microsoft Teams に統合されているイマーシブ エクスペリエンスを強化するものであり、従業員が業務を行っている場所で個人的なつながりを築くのを支援します。マイクロソフトは、Microsoft Teams での従業員どうしのつながりを促進するためのエクスペリエンスを構築するだけでなく、開発者やクリエイターが、社内で従業員どうしのつながりを築くのに使用する独自のエクスペリエンスを構築できるようにします。
本日は、Mesh の一般提供に向けた取り組みの重要なマイルストーンとして、Mesh 製品の進捗状況と早期導入ユーザーの顧客事例をご紹介します。まず、最新の製品情報からお伝えしましょう。
- Microsoft Teams のアバターの一般提供が、今週から段階的に開始されます。これをご利用いただけるのは、Microsoft 365 Enterprise E3/E5、Microsoft 365 Business Standard/Premium、Teams Premium のお客様です。
- Microsoft Teams のイマーシブ空間は、現在プライベート プレビュー中で、Teams Technology Adoption Program (TAP) に参加のお客様にご利用いただけます。
- Mesh プラットフォームは、現在プライベート プレビュー中です。ご興味のある組織や開発者の皆様は、こちらのフォーム (英語) から関心のある分野をお知らせください。
楽しさと柔軟性を提供: 表現豊かな Microsoft Teams のアバターを利用して会議に参加する
Teams のアバターは、Teams 会議への新しい参加方法です。ビデオをオンにするかオフにするかの 2 択ではなく、アバターを使用するという選択肢が加わります。アバターとリアクションはカスタマイズ可能で、カメラをオフにしたまま自分が会議に出席していることを他の参加者に示すことができます。この機能によって、カメラから離れたいという希望を叶えながら、会議への参加、コラボレーション、楽しさを実現できます。カメラに映ることに疲れている場合や、ただカメラがない方が落ち着く場合などは、この機能によってより多くの人が会話に参加しやすくなります。Teams のアバターは、PC および Mac 向けのデスクトップ版 Teams クライアントで一般提供が開始されています。
今週、テナントにもロールアウトされます。ぜひ Teams のアバターの利用を開始してください。また、マイクロソフトの従業員が実際にアバターをどのように使用しているかはこちら (英語) をご確認ください。
Microsoft Teams のイマーシブ空間で、かつてない方法でつながる
Microsoft Teams を使用した新しいつながり方をご紹介します。Teams のイマーシブ空間では、Teams 会議にイマーシブ エクスペリエンスを追加して、あらゆる場所にいる参加者と自然に存在を認識し合い、一体感を持って会議に参加することができます。たとえば、話したい人に話しかけに行ったり、お互いに話しかけることなく複数の会話が同時進行している空間にいたりと、対面の場面で発生する多くの要素を模倣した空間で人と交流することができます。空間オーディオを利用すれば、臨場感のあるサウンドを体験できます。Teams のイマーシブ空間は PC または VR ヘッドセットから利用でき、Teams Technology Adoption Program (TAP) の参加者が今週からプライベート プレビューを利用できます。詳細については、こちら (英語) をご覧ください。
新人研修からバーチャル ミュージアムまで: Mesh が人の輪を築く
Mesh を使用すると、Microsoft Teams へのイマーシブ エクスペリエンスを向上できるだけでなく、懇親会、新人研修、全社会議といった従業員どうしのつながりを構築するための環境に特化したカスタム アプリを構築できます。早期導入ユーザーの皆様は、既に Mesh を活用して、現実世界の制約を超えたカスタム ソリューションを作成されています。そうした事例の一部をピックアップしてご紹介します。
武田薬品工業株式会社は、価値観に基づく研究開発型バイオ医薬品のグローバル リーディング カンパニーであり、患者、従業員、地球へのコミットメントを指針とし、人生を変える治療法の発見と提供に力を注いでいます。武田薬品工業株式会社は、データとデジタルの力を最大限に活用する取り組みの一環として、革新的なエクスペリエンスを通じて人々を支援し、つなぐ、パーソナライズされたデジタル ソリューションを実現しています。
武田薬品工業株式会社は 2023 年の早い段階に、オフィス勤務の従業員とリモート従業員の隔たりを埋めながら、両者の学習とコラボレーションを強化するために、Microsoft Mesh の使用を開始しました。Mesh を活用して、同社の企業理念を視覚的に表現した「The Hirameki~インスピレーションのひろば~」をはじめとする複数の環境を構築しました。これらは、同社の従業員が武田薬品工業株式会社の文化やビジネス上の優先課題を実感し、新人研修の円滑化や帰属意識の醸成を図れる場所です。同社はさらに、従業員がビジネス ポートフォリオについて詳しく学べるバーチャル ミュージアムも構築しました。展示ごとに患者 1 人のストーリーを取り上げ、同社の「世界中の人々の健康と輝かしい未来に貢献する」という目的を強調しています。
武田薬品工業株式会社のデータ・デジタル & テクノロジー部のチーフ テクノロジー オフィサーを務める Leo Barella 氏は次のように語ります。「武田薬品工業株式会社は、革新的なデジタル ソリューションを使用することでコラボレーションの文化を築き、画期的な方法で協業できるようにしています。Microsoft Mesh を活用することで、従業員が当社が掲げているミッションと文化に対してつながりを感じ、また、他の従業員とのつながりも感じながら、日々患者さんのために未来を形作り、より良い成果を生み出すことを目指しています」
柔軟性の高いデジタル ワークスペースに投資することは、武田薬品工業株式会社が世界中から人材を集め、研修を行えるようにすることや、不動産投資や交通・出張費を削減し、サステナビリティを推し進め、製品イノベーションを加速させるために役立ちます。
武田薬品工業株式会社は、マイクロソフトが Mesh と Mesh を活用した機能を Teams に構築するにあたり、テストや実験に協力してくださった顧客企業の 1 社です。
- Accenture (英語) は、Mesh を使用して One Accenture Park の新入社員エクスペリエンスを拡張し、研修の質を高めて世界中で新入社員のトレーニングを行っています。また、オーストラリア・シドニーのオフィスを再現したイマーシブなオフィスなど、現実世界を模したいくつかの環境を構築しました。
- DXC Technology は、Mesh で構築した既存の物理ワークスペースのデジタル表現を活用して、リモート ワーク環境全体でのコラボレーションの強化と従業員どうしのつながりの実現を図っています。
- PwC (英語) は、より強固な企業文化を構築するために、Mesh を使用して構築した社内イントラネット リソースに基づくセルフ ガイド ツアーやガイド付きツアー、オリエンテーションなどのイマーシブなウェルネス エクスペリエンスによって、従業員を結び付けています。
- Telefonica (英語) は、仮想環境とイマーシブなアクティビティを通じて、懇親会やチーム ビルディング イベントを開催し、従業員がよりソーシャルにつながれるよう支援しています。
- 世界経済フォーラムは、マイクロソフト、Accenture と共同で Global Collaboration Village (英語) を構築しました。これによってフォーラムの機能を拡張し、世界中の利害関係者とつながり、世界的な課題について共に学び、協力できるようにしました。
開発者とクリエイター: Microsoft Mesh で構築するイマーシブ エクスペリエンス
Mesh では、どのようにして強力なエクスペリエンスを構築できるのでしょうか? Mesh は、人々が自分の存在を示し、他者とやり取りすることができる独自の環境を構築するためのコア機能を開発者とクリエイターに提供します。Mesh が参加者のデバイスの環境とやり取りを同期する難しい部分を実現し、PC や VR ヘッドセットからの参加者全員がエクスペリエンスを同時に共有できるようにします。参加者はアバターを使うことで自分を表現し、その空間の中で交流することができます。空間オーディオで現実世界のサウンドの指向性を再現し、よりリアルさを感じられるエクスペリエンスを実現しています。また、Mesh は Microsoft 365 を基盤としているため、ID 管理と、エンタープライズ クラスのプライバシーとセキュリティが組み込まれています。
Mesh がこの基盤を提供することにより、開発者やクリエイターは Unity と統合する一連のツールを使用して、独自の価値、コンテンツ、双方向性、魅力的な機能をカスタム スペースに追加できるようになります。Mesh によって次のことが可能になります。
- Unity を使用して、新しい 3D 環境を構築したり、既存の 3D 環境をスペース内に移植したりすることが可能です。
- クラウド スクリプティングを使用して、ロジックの挿入、ライブ バックエンド ビジネス データの統合、トリガーとアクションの接続、AI の導入などを行うことによって、双方向性を高められます。C# と .NET Core を最大限に活用します。
- Web から動画などのインタラクティブなコンテンツを統合して、ユーザー エクスペリエンスを充実させられます。
- Mesh で物理ツールを使用し、重力や浮力によってスペース内のオブジェクトにプロパティを割り当てられます。オブジェクトの相互の動作やユーザーがオブジェクトを操作するタイミングを設計できます。リアルなエクスペリエンスを構築したり、ゲームや課題、無限の創造力をかき立てるような幻想的なやり取りを実現したりできます。
- Mesh のパフォーマンス ツールで潜在的な問題を診断し、エクスペリエンスをいっそう向上させることができます。
Mesh が提供する高度なイベント管理機能を活用して、リッチなイマーシブ エクスペリエンスの作成、カスタマイズ、運用を行うこともできます。複数の小規模グループのコンテンツやエクスペリエンスをミラーリングして大規模なイベントを主催できるため、参加者は 1 つの環境でエクスペリエンスを共有できます。Mesh のイベント制作ツールを活用すれば、主催者はプレゼンテーションをスムーズに実施し、環境内でユーザーを移動させ、コンテンツやアニメーションをトリガーすることによって、エクスペリエンスをリアルタイムに調整できます。こうした機能によって、社内イベント、対話型学習、新入社員研修、製品のシミュレーションや紹介、ガイド付きツアーなどを提供できます。
Mesh について詳しく知りたい、Mesh のプライベート プレビューに参加したいというお客様やパートナー様は、マイクロソフトの Web ページ (英語) をご確認ください。
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