2024年12月16日 4:20 PM

法人向けの Copilot キーの進化

※ 本ブログは、米国時間 2024/12/13 に公開された “Evolving the Copilot key experience for commercial organizations” の抄訳です。

2024年1月、新しいWindows 11 PCにCopilotキーを導入することを発表し、Windows PCのキーボードに約30年ぶりに大きな変更が加えられました。CopilotキーはもともとWindowsでCopilotを呼び出すためのものでしたが、ユーザーの皆さまからのフィードバックやご要望をもとにWindowsでのMicrosoft Copilot エクスペリエンスを進化させるべく、Copilotキーに手を入れました。

Copilotキー

新しいWindows 11デバイスの物理的なCopilotキー

すでにお伝えしている通り、Copilot in Windowsは削除され、Microsoft CopilotアプリはMicrosoftアカウントで認証された一般ユーザーのみが利用できるようになっています。Microsoft Entraアカウントで認証する法人ユーザーはご利用いただけません。この変更に伴い、IT管理者は、Microsoft Entraアカウントで認証された従業員が、Copilotキーを使用してCopilotにアクセスできるようにする必要があります。

デバイスやソフトウェアを管理している法人では、シンプルに職場または学校向けのCopilotエクスペリエンスにアクセスできるように、Copilotキーを再マッピングして、Microsoft 365アプリを呼び出せるようにすることをお勧めします。ここでは、Copilotキーのエクスペリエンスに対する変更について説明し、組織で管理する方法について、IT管理者向けのガイダンスを共有します。

Copilotの画面

Microsoft Entraアカウントでサインインすると、Microsoft 365アプリ内のエンタープライズデータ保護機能を備えたMicrosoft Copilotのエントリーポイントが更新されます。Microsoft 365 アプリは Windows のタスクバーにピン留めすることができます。また、Copilot は Microsoft 365 アプリ内のナビゲーションバーにピン留めすることで、簡単にアクセスできるようになります。

新しくプロビジョニングされたWindows 11 PCのCopilotキー

物理的なCopilot キーを利用できるWindows 11デバイスを使用している方は、OOBE(Out-Of-Box Experience:PCを箱から取り出して電源を入れたあとで行う初期設定のこと)*を実行する際、またはMicrosoft Entraアカウントを使用して新しいアカウントを設定すると法人向けに設定されます。

このシナリオでは、キーボードのCopilotキーを押すことで、Microsoft 365アプリ内でCopilotが開くようになります。これは、有償アドオンの Microsoft 365 Copilot ライセンスの有無にか関わらず、すべての法人で、かつ管理されている組織ではデフォルトとなっており、推奨されるシナリオです。

OOBEを経由するユーザー、またはMicrosoftアカウントを使用して新しいアカウントをセットアップしてデバイスにサインインするユーザーは、個人用に設定されます。つまり、Copilotキーを押すとMicrosoft Copilotアプリが開くようになります。

*クラウドドメインに参加している新しいデバイスは、セットアップ後のアップデートを行うと、このエクスペリエンスが提供されます。

既存のWindows 11 PCのCopilotキー

Windows 11の2024年10月の月例セキュリティ更新プログラムでは、Copilotキーのマッピングは変更されません。つまり、CopilotキーがCopilotアプリにマッピングされた既存のデバイスは、そのまま残ります。Copilotアプリは現在、一般ユーザー向けであるため、ユーザーはMicrosoftアカウントでのみサインインできます。Microsoft Entraアカウントでサインインしているユーザーは、CopilotアプリからMicrosoft Copilotのブラウザエクスペリエンス(https://copilot.cloud.microsoft)にリダイレクトされます。このとき、Microsoft Copilotは業務用に構築されており、Microsoft Entraアカウントでサインインするとエンタープライズデータ保護(EDP)が提供されます。

Copilotアプリの画面

Microsoft EntraアカウントでCopilotアプリにサインインしようとすると、ブラウザ版のEDP付きMicrosoft Copilot(https://copilot.cloud.microsoft) にリダイレクトされます。

法人ユーザーがMicrosoft 365アプリ内でCopilotにアクセスできるように、グループポリシーや構成サービスプロバイダ(CSP)ポリシーなどのWindowsクライアントポリシーで、キーのターゲットをMicrosoft 365アプリに変更する必要があります。エンドユーザーは「設定」からもこの設定を行うことができる。

Microsoft 365アプリは、すべてのWindows 11 PCにプリインストールされています。Microsoft 365アプリをアンインストールしている場合は、Microsoft Storeか利用されているアプリケーション管理ソリューションから再インストールして、CopilotキーをMicrosoft 365アプリに再マップすることをお勧めします。また、Microsoft CopilotをMicrosoft 365アプリのナビゲーションバーに固定することをお勧めします。

ユーザーである社員の皆さまが、Microsoft Copilotのどのエントリーポイントを利用するかで混乱しないように、Copilotアプリをアンインストールすることをお勧めします。

Copilotキーの管理

物理的なCopilotキーのターゲットアプリを構成するためのポリシーが用意されています。このポリシーのドキュメントは、WindowsAIポリシーCSPにあります。

ポリシー名は WindowsAI/SetCopilotHardwareKey です。

詳細については、Updated Windows and Microsoft Copilot experienceを参照してください。

よくある質問

Microsoft Copilotを利用しているとき、ユーザーデータは保護されますか?

Microsoft Entra アカウントでサインインしたユーザーには、Microsoft Copilot で EDP が提供されます。EDP とは、Copilot for Microsoft 365 および Microsoft Copilot のユーザーのデータに適用される、データ保護補遺および製品規約に基づく管理と約束のことを指します。つまり、Copilot for Microsoft 365で利用可能なセキュリティ、プライバシー、コンプライアンスの管理とお約束は、Microsoft Copilotのプロンプトと応答にも適用されます。詳細については、Updates to Microsoft Copilot to bring enterprise data protection to more organizationsをご参照ください。

組織でMicrosoftアカウントを有効にしている場合、Microsoft Copilotアプリの使用をブロックする方法はありますか?

組織でMicrosoftアカウントを有効にしていても、アプリ管理ポリシーを使用して、特定のアプリケーションでMicrosoftアカウントを使用した認証を無効にすることは可能です。詳細については、Windows と Microsoft Copilot エクスペリエンスの更新を参照してください。

ユーザーがMicrosoft Copilotアプリのエクスペリエンスを利用したがっています。ただし、組織でMicrosoftアカウントを許可していないため、認証できない場合はどうなりますか?

今後、Microsoft CopilotアプリではMicrosoft Entraアカウントでの認証ができなくなります。このブログで提案しているように、組織は従業員にMicrosoft 365アプリ内でCopilotにアクセスするようにご案内していただくことをお勧めします。このエントリーポイントでは、Copilotアプリと同じ機能が維持され、Microsoft Copilotアプリと同様に、Microsoft 365アプリをタスクバーにピン留めして簡単にアクセスできます。

Microsoft 365 Copilotアドオンのサブスクリプションを持っていなくても、これらの変更は適用されますか?

はい。これらの変更は、Microsoft Entra アカウントで認証するユーザーを持つすべての管理対象組織に適用されます。これは、無料のEDP付き Microsoft Copilot のみを使用しているか、有料のアドオン Microsoft 365 Copilot ライセンスを使用しているかには関係がありません。アドオンのMicrosoft 365 Copilotライセンスを持っている場合、チャットでWebモードと職場モードの両方にアクセスでき、2つのモードを切り替えるオプションもあります。


議論の続きやベストプラクティスの検索に Windows Tech Community をブックマークすることと、X/Twitter の @MSWindowsITProLinkedInをフォローすることをお勧めします。疑問点についは、 Windows on Microsoft Q&A をご覧ください。

Join the conversation