2025年5月2日 3:26 PM

Microsoft 365 イノベーションの新しいエージェントの紹介

※本ブログは、米国時間 4 月 24 日に公開された “Discover new agents in Microsoft 365 innovation” の抄訳を基に掲載しています。

AI エージェントによって事業運営の方法が大きく変わりつつあることで、企業は迅速に規模を拡大し、価値創出のスピードを飛躍的に向上させられるようになっています。

2025 年の Work Trend Index (英語) によると、今年は企業にとって、中核となる戦略と事業運営を再考する重要な年となり、人と AI が協働することで、新たな意味でのハイブリッド ワークが推進されると見込まれています。リーダーの 83% は、今後自社でエージェントを活用し、人とエージェントのコラボレーションを通じて製品開発やイノベーションを加速させるつもりであると回答しています。

昨年、マイクロソフトは Microsoft 365 のエージェントを発表しました。すぐに使用できるこれらのエージェントは、Copilot Chat のほか、日常的に使用している生産性アプリやコラボレーション用アプリに直接組み込まれており、すばやい価値実現を可能にします。また、専門的なスキルとナレッジを Microsoft 365 Copilot に付加し、固有の役割を担ってユーザーやチームと共に働きます。このようなコラボレーションにより、ユーザーは仕事を簡単に進められるようになり、チーム全員の連携が維持されるほか、スマートで迅速な意思決定が可能になり、組織のビジネス価値をさらに高めることができます。

このたび、マイクロソフトはエージェント関連の新しいエクスペリエンスを発表します。詳しく見ていきましょう。

新しいエージェント ストアでエージェントにアクセス

Copilot は AI のための UI であり、その起点となるのが Copilot Chat です。Copilot Chat では、エージェントを簡単に作成したり、標準で用意されているエージェントをすぐに使い始めたりすることができます。エージェントを簡単に検索、ピン留め、使用できるようにするため、新たにエージェント ストアが導入されます。このパーソナライズされた新しい没入型エクスペリエンスでは、マイクロソフトが提供するものだけでなく、お客様が作成したエージェントやパートナー製のエージェントも表示されるため、ユーザーはニーズに合った最適なエージェントを見つけることができます。エージェント ストアの提供は来月より開始予定です。

エージェント ストア

Frontier プログラムで推論エージェントの提供を開始

膨大な非構造化データを価値の高いコンテンツに変えるには、深く戦略的な思考が必要ですが、一般的な AI モデルでそれを実現するのは困難です。Researcher エージェントは、業務において複雑で段階的な調査を行う際に有用であり、これまで以上に正確かつ質の高い分析情報を提供します。このエージェントは、OpenAI の Deep Research モデルと、Microsoft 365 Copilot の高度なオーケストレーション機能および検索機能を組み合わせて構築されています。Researcher を使用すると、あらゆる業務データや Web 上の広範な競合データから得た情報に基づいて詳細な市場展開戦略を構築したり、新たなトレンドや社内データに基づいて新製品の参入機会を特定したり、最新の市場分析と併せてそれまでの業務内容を詳述したクライアント レビュー用の包括的な四半期レポートを作成したりといったことが可能です。

高度なデータ サイエンス スキルなしで複雑なデータを分析するとなると、多くの時間と労力が必要になります。Analyst エージェントなら、熟練したデータ サイエンティストのような思考能力を発揮してくれるため、わずか数分で生データからインサイトを引き出すことができます。このエージェントは OpenAI の o3-mini 推論モデルを基盤としており、業務における高度なデータ分析の実行に最適化されています。思考連鎖型の推論で反復的に問題を処理し、必要なステップをいくつも実行して推論を洗練させていく構造となっているため、人間の分析的思考を再現した質の高い回答を提供します。きわめて複雑なデータ クエリへの対応には Python を実行でき、実行中のコードをリアルタイムで表示して動作を確認することができます。

Researcher および Analyst は、開発中の Copilot の新機能への早期アクセスを提供する新しい Frontier プログラムの一環として、Microsoft 365 Copilot ライセンスをお持ちのお客様向けに本日より提供を開始します。

新しい Skills エージェントで組織の専門知識を評価する

特定のスキルセットを持つ同僚とつながりたい場合や、従業員のスキルセットを詳しく把握する必要がある場合に、そうした情報を入手するのに時間がかかったり、苦労したりすることがあります。新しい People Skills データ レイヤー (英語) を搭載した新たなエージェントである Skills エージェントを使用すると、組織内の専門知識に関する情報を包括的に確認できます。これにより、組織内のエキスパートを簡単に探し出す、同僚のスキルセットを把握する、自分自身のスキル プロファイルを編集する、情報に基づいてスキル開発に関する意思決定を行うといったことが可能になります。リーダーの場合は、Skills エージェントを使用して、従業員の能力に関する最新の状況 (強み、ギャップ、向上機会) を把握し、戦略的な人員計画を立てる際の判断材料にすることができます。組織全体にわたるスキル ギャップを解消し、人材の育成機会を発見するうえで欠かせないエージェントです。

Skills エージェントは 2025 年 6 月に一般提供を開始する予定です。

SharePoint エージェントが Copilot Chat で利用可能に

SharePoint には組織に関する膨大な量の情報が存在するため、その中から必要な答えや有意義なインサイトを得るのは大変な作業であり、時間もかかります。そこで、SharePoint エージェントを利用すると、自分の SharePoint データに基づく対象範囲を絞ったエージェントを使用および作成し、サイトや特定のコンテンツからリアルタイムの情報とインサイトを即座に取得できます。チャットでチーム メンバーをメンションするときと同様にエージェントを @メンションすると、メールや Teams 経由で簡単に他のユーザーとエージェントを共有できます。近日中に、Microsoft 365 Copilot Chat SharePoint エージェントと直接チャットできるようになります。提供開始は 5 月の予定です。

SharePoint

Interpreter エージェントのパブリック プレビューを開始

だれもが即座に理解できるような、普遍的な方法でコミュニケーションを取ることは困難であり、国際的な会議では多くの場合、高額な通訳サービスが必要となります。そこで、パブリック プレビューが開始された Interpreter エージェントの出番です。このエージェントは言語の壁を取り払い、よりインクルーシブな Teams 会議を実現します。音声から音声へのリアルタイム通訳が可能になるため、ユーザーは会議中に任意の言語でやり取りできます。

Interpreter エージェントは現在、標準中国語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語 (ブラジル)、スペイン語の 9 つの言語に対応しています。パブリック プレビューを利用するには、Microsoft 365 Copilot ライセンスが必要です。

Interpreter

Facilitator エージェントを使用して会議を効果的に運営する

会議はコラボレーションの根幹ですが、会議の運営は負担の大きい業務であり、コストもかかります。そこで役立つのが Facilitator エージェントです。このエージェントはユーザーやチームと連携し、会議を簡単に運営できるよう支援します。会議の間、Facilitator は全員で簡単に共同編集できるメモをリアルタイムで作成してくれます。さらに、Facilitator は会議への招待に記載されたアジェンダに基づいて、または会議の冒頭で設定された目標を認識して、議論の進行役を努めるようになります。会議の途中や終了前には、主な決定事項と未解決の課題をまとめてくれるため、重要な情報やフォローアップ タスクの見落としを防げます。また、ユーザーは会議チャットで Facilitator を @メンションして、会話の要約を依頼できるほか、Web で情報を検索し、統計情報をチェックしたり特定のトピックに関する最新記事を確認したりするよう依頼することもできます。

これらの Facilitator の新機能は、2025 年 5 月上旬にパブリック プレビューとして提供を開始する予定です。パブリック プレビューを利用するには、Microsoft 365 Copilot ライセンスが必要です。

Facilitator

Project Manager エージェントを使用してプロジェクトを円滑に進める

プロジェクトの管理は容易な仕事ではありません。追跡して完了させるべきタスクは終わりが見えないほど山積し、すべてを管理するプロジェクト マネージャーを雇うとなると費用もかさみます。Planner の Project Manager エージェントは、そうしたプロジェクトやタスクの管理をチームのニーズに合わせて自動化します。新たな計画をゼロから自動生成するだけでなく、ユーザーが入力した目標や関連ファイルに基づいて構成済みのテンプレートから作成することも可能です。また、コンテンツ作成などのタスクを実行することもできます。さらに、Project Manager エージェントはほんの数分で任意のプロジェクトの進捗レポートを生成できるようになります。レポートには、プロジェクトの概要、対象期間、潜在的な阻害要因など、チーム メンバーが知っておくべき情報が盛り込まれます。チームと連携してレポートの質を高め、さまざまな場所 (SharePoint ニュースレターなど) で共有し、より広範なユーザーに情報を届けます。

Project Manager は現在パブリック プレビュー中であり、進捗レポートは今月中にパブリック プレビューとして提供を開始します。利用には Microsoft 365 Copilot ライセンスが必要です。

利用を開始する

準備はできましたか? 以下のリソースで詳細をご確認ください。

Join the conversation