Posts in いけばな

Mixed Reality

未来へとつながる、伝統文化×テクノロジ の可能性(後編)〜表現者と技術者の思いが交わるとき〜

By Japan Windows Blog

2022年4月23日に開催された、いけばな小原流の東京支部創立100周年記念特別講習会において、五世家元である小原宏貴氏による、いけばなと MR(Mixed Reality / 複合現実)技術の融合したパフォーマンスが披露されました。前編では、このパフォーマンスが実現した背景と、実際に披露された模様をレポートしました。後編では、家元と MR 技術を提供した南国アールスタジオ代表取締役の秦氏のインタビューから、MR が実現する未来を探ります 前編はこちら:未来へとつながる、伝統文化×テクノロジ の可能性(前編)〜HoloLens 2 を用いた、いけばなのライブパフォーマンスレポート〜 - Windows Blog for Japan ステージパフォーマンスのレコーディング映像はこちら:   MR でいけばなを「多言語化」し、日本文化を広めるきっかけに いけばな小原流五世家元 小原 宏貴氏 試行錯誤を繰り返した2年前のいけばな × MR パフォーマンス ―2年前のシアトルでのイベント(「IKEBANA × TECHNOLOGY」)開催にあたり、当時のシアトル日本国総領事だった山田洋一郎氏(立命館アジア太平洋大学特別招聘教授)から、いけばなと MR の融合パフォーマンスを依頼されたときの気持ちをお聞かせください。 小原 そもそも HoloLens のようなデバイスがあることを知らなかったものですから、最初はよく理解できなかったというのが率直な感想です。ですがお話を聞くうちに、実作品の周りに鳥を飛ばせたり月を浮かべたりできるということを知って、多くの人が日本の文化に親しめるきっかけになるのではないかと期待を抱きました。 参考:生け花と Mixed Reality テクノロジーのコラボレーション… Read more

Mixed Reality

未来へとつながる、伝統文化×テクノロジ の可能性(前編)〜HoloLens 2 を用いた、いけばなのライブパフォーマンスレポート〜

By Japan Windows Blog

2022年4月23日。よく晴れた春の日の午後、場所は渋谷公園通りにある LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)。普段はコンサートやミュージカルなどが開催され、主に若者が集うこのホールに、折目高な着物姿の女性や仕立てのよいスーツを身につけた人々が続々と入場していきます。 この日開催されたのは、いけばな三大流派のひとつに数えられる小原流の、東京支部創立100周年記念特別講習会。「つなぐ」という副題がつけられたこの講習会には、来賓や関係者含め1500名以上参加者が集い、第1部では厳粛かつ盛大に100周年の記念式典が執り行われました。 そして第2部では、小原流の五世家元である小原宏貴氏による「いけばなパフォーマンス-百の花を繋いで-」が披露されました。そのクライマックスを飾ったのは、いけばなと MR(Mixed Reality / 複合現実)技術の融合が生み出した新時代のパフォーマンスでした。本稿では、このパフォーマンスが実現した背景と、実際のライブパフォーマンスの模様をレポートします。 ※関係者インタビューをまとめた後編は近日公開予定です。 時代の変化を柔軟に取り入れ、いけばなの“多言語化”を目指す いけばな小原流は、流祖小原雲心氏によって創立された、いけばなの流派としては比較的新しい流派です。明治時代の末期、生活空間の洋風化が進むなかで、雲心氏は西洋草花をいけるための水盤や鉢を考案し、それまでの常識をくつがえす「盛花(もりばな)」を創始。この新しいいけばなの様式は当時の大衆に広く受け入れられ、日本中に広まったそうです。 雲心氏が持っていた、時代の変化を読み取り柔軟に取り入れていく気風は、その後の小原流にも脈々と受け継がれ、五代目となる当代家元小原宏貴氏も、精力的に海外の人々や若い世代にいけばなの魅力を伝えるための活動を行なっています。 「いけばなやその背景にある日本の文化、日本人が培ってきた感性を簡単かつ直感的に伝えるためには、“いけばなの多言語化”が必要だと考えています」と語る宏貴氏。「“多言語化”には、直接的な言語のほかに音楽や身体表現なども含まれます」という考えのもと、多言語化のひとつの手段として挑んだのが、MR 技術を用いたいけばなパフォーマンスでした。 シアトルで生まれた、いけばな × MR パフォーマンス このパフォーマンスが誕生したのは、遡ること約2年前。2020年2月27日に米国のシアトルで行われた「IKEBANA × TECHNOLOGY」というイベントでした。当時のシアトル日本国総領事だった山田洋一郎氏(立命館アジア太平洋大学特別招聘教授)の「日本とシアトルの関係をもっと近づけるために、日本の伝統文化を最新テクノロジで表現して見せたい」という呼びかけに小原流が応えたことで、この前例のないのパフォーマンスが実現したのです。 参考:生け花と Mixed Reality テクノロジーのコラボレーション 「IKEBANA × TECHNOLOGY」開催レポート - Windows Blog for Japan 参考:[HoloLens 2] いけばな小原流&在シアトル日本国総領事館事例 Mixed Reality で進化する日本の伝統文化… Read more