セキュリティ、IT 管理の効率化、直観的なユーザー エクスペリエンスにフォーカスした Windows 11 の新機能を発表
Aaron Woodman (Windows マーケティング担当バイス プレジデント、マイクロソフト)
※ 本ブログは、米国時間 5/23 に公開された “Announcing new Windows 11 innovation, with features for secure, efficient IT management and intuitive user experience ” の抄訳です。
テクノロジは、私たちの業界にとっても、世界にとっても、大きなチャンスを拓く源となっています。 Windows 11 はその中心に位置し、その新しいエクスペリエンスは私たちと Windows PC、そしてユーザー同士の関係性を大きく変化させようとしています。
米国では、Windows 11 は記録的なエンゲージメントを示しています。これまでの Windows のどのバージョンよりも高い顧客満足度を得ており、民間企業での展開が加速しています。事実、先日公開した最新の収益報告書の一部で、Fortune 500 企業の 90% が現在 Windows 11 を試用中または既に展開済みであることをお伝えしました。¹
2 月に公開した記事 では、AI に対応した新しい Bing をタスク バーに配置したこと、および、ユーザーの皆様が PC で作業をこなす方法を改善する各種機能をご紹介しました。今回の記事では、 5 月 24 日から使用できるようになる Windows 11 の新機能と機能強化についてお伝えします。特に、セキュリティや IT 管理などのビジネス ニーズを重視しており、同時に業務や個人用としての使いやすさを向上させる新機能にも注力しています。また、今週は Windows を使用している開発者の方に向けて Microsoft Build で新しいイノベーションを発表します。
プライバシー、セキュリティ、アクセシビリティの新機能を指先ひとつで操作可能に
時間は貴重であり、ちょっとしたことが大きな差につながることがあります。明日から、組織の管理とセキュリティ確保を容易にするという目標に向けた企業向けの新機能と機能強化の提供を開始します。
アプリの新しいプライバシー設定で透明性と制御が手に入ります
プライバシーは最重要事項であり、これまでにないほど重視されています。ユーザーは個人情報の利用について透明性を向上させ、細かく制御したいと考えています。現在、Windows 11 にはプレゼンス センシングが実装されており、ハンズフリーで安全にサインインし、離席時にはロックできるようになっています。明日より提供を開始する新しいアプリ プライバシー設定では、プレゼンス センサーの情報へのアクセスの許可や拒否を設定できるようになります。また、近づいたら再開し、離れたらロックするなど、プレゼンス センシング機能のオンとオフも簡単に切り替えられるようになります。
接続が保護されていることをひと目で確認
目の前のタスクに集中するだけでなく、VPN への接続が安全に確立されているかどうかを把握することも重要です。今回の更新で、VPN 接続表示がタスク バーの「Wi-Fi接続の管理アイコン」に反映され、ステータスをひと目で確認できるようになります。デバイスが認証済みの VPN に接続されていると、タスク バーの有効なネットワーク接続アイコンに小さな盾が表示されるため、接続のことを気にせず作業に集中することができます。VPN 接続表示は明日より提供されます。この機能はクイック設定でオンとオフを切り替えられます。
Microsoft Pluton にChip to Cloudセキュリティを実装
マイクロソフトはパートナー コミュニティと連携し、チップからクラウドまで、デフォルトでの保護を実現する PC の提供に継続的に取り組んでいます。この取り組みの中で、Microsoft Pluton セキュリティ プロセッサは重要なイノベーションとなっています。Pluton 搭載の Windows 11 PC にはマルウェアへの耐性を高めるテクノロジが組み込まれており、ハードウェアに対する攻撃からの保護や認証情報の保護が強化されています。
アクションを実行してファイルを保護するタイミングを簡単に把握
6 月より、アカウントで何らかの注意が必要なときにはそのアカウントにバッジが付与2 され、スタート メニューのアラートで把握できるようになります。これにより、情報を手軽に確認し、PC の保護を強化することができます。
言語サポートを拡大、音声コンテンツへのアクセスがさらに容易に
マイクロソフトは昨年 5 月にライブ キャプションについて発表し、その後、Windows 11 2022 Update でこの機能の提供を開始しました。このリリースにはアクセシビリティ機能や最先端のオプションが含まれており、あらゆるユーザーが Windows で音声コンテンツを利用できるようになっています。ライブ キャプションは、リアルタイム ビデオ通話などで音声が出力されているときに表示されます。明日以降、この機能のサポート対象が 10 言語追加され、地域も 21 に拡大されます。3
持続可能性に配慮した新しい Bluetooth® オーディオを PC で使用可能に
マイクロソフトは、次世代のワイヤレス オーディオである Bluetooth® Low Energy Audio4 を初めて PC エコシステムに導入します。Bluetooth® LE Audio は高品質オーディオを低消費電力で届ける規格で、Samsung および Intel とのパートナーシップにより、Galaxy Book13 Ultra、Galaxy Book3 Pro 3、Galaxy Book360 Proなどのインテル第3世代プラットフォームに基づくPCやGalaxy Buds2 Proなどのワイヤレス イヤホンを含む互換デバイスで通話、動画、音楽のエクスペリエンスが向上します。今後、Bluetooth® LE Audio の対応デバイスが増加し、この新機能の可能性がさらに広がることを期待しています。
最新ニュースや注目情報を常に把握
ウィジェットは、日常の重要な情報を把握するのに便利で優秀なツールです。マイクロソフトは、ウィジェット ボードのレイアウトと機能の改良を継続的に進めています。既定のウィンドウ ビューでは、ユーザーがアプリをピン留めするための専用スペースが広くなり、またパーソナライズされたフィードのデザインが目立つようになります。これによってニュースやユーザーが選んだウィジェットがわかりやすくなるので、画面をひと目見ただけで最新情報を把握できます。
Inside Track にご参加ください – プレビューが開始される新機能
Windows 11 PC では各種のベースライン セキュリティ機能が既定で有効化されています。ソフトウェアとハードウェアの保護をさらに強化するため、マイクロソフトは明日から新しいセキュリティ機能のパブリック プレビューのロールアウトを開始します。
デバイスと資格情報の保護
プレビュー: サインイン セッション トークン保護ポリシー: 3 月に初めて開催された Microsoft Secure イベント (英語) で、トークン保護のロードマップの第一歩となるサインイン時のトークン保護のプレビュー (英語) を発表しました。これは、アプリケーションやサービスがセキュリティ トークンを暗号化された形でデバイスにバインドできるようにする機能で、攻撃者がトークンを盗んでも別のデバイスでそのユーザーになりすますことができなくなります。詳細についてはこちらをご覧ください。
プレビュー: Windows 365 Boot: クラウドの力と慣れ親しんだ PC の良さを Windows 365 と組み合わせて、セキュリティを犠牲にすることなく Windows エクスペリエンスをシームレスに利用する法人のお客様が増えつつあります。マイクロソフトでは、Windows 365 Boot などの機能により、Windows 11 デバイスで Windows 365 クラウド PC エクスペリエンスを最適化することに継続的に取り組んでいます。
Windows 365 Boot を使用すると、Windows 365 クラウド PC に直接ログインし、そのデバイスのプライマリ Windows に指定することができます。デバイスの電源をオンにすると、Windows 365 Boot が Windows 11 のログイン エクスペリエンスにユーザーを誘導します。そこからログインすると、Windows 365 クラウド PC に直接接続されます。このステップでユーザー追加操作は不要です。共有デバイスでは特に便利な機能で、一意のユーザー ID でログインすると個人用の安全なクラウド PC に移動できます。
Windows 365 Boot の詳細、およびその展開方法については、Tech Community ブログ (英語) および次回 6 月 7 日の Windows in the Cloud (英語) のエピソードをご覧ください。
プレビュー: Win32 アプリを分離する新機能でセキュリティを強化
一般ユーザーと商用ユーザーの両方に向けて、Win32 アプリを分離できるようにする機能のパブリック プレビューを明日から開始します。この新しい分離技術を使用すると、セキュリティ侵害のリスクを大幅に軽減させることができます。Win32 アプリを分離して実行すると、アプリが重要な内部 Windows サブシステムに予期しないアクセスや不正にアクセスするのを防ぎ、アプリが侵害された場合の被害を最小限に抑えることができます。分離技術によって、攻撃者が Win32 アプリを突破して他のアプリや Windows サブシステムに侵入することが難しくなり、そのコストも大きくなります。そのため、システム全体のセキュリティが強化されます。
初期段階でのレビューやテストは、適切な機能セットを提供するために不可欠です。皆様からのフィードバックをお待ちしております。
Windows Enterprise ユーザー向けに IT 管理をシンプルにする最新機能を提供
上記の新機能と機能強化は、通常の Windows 月次更新プロセスで配信されます。この他にも、Windows 11 Enterprise ユーザーには、企業の Windows デバイスの管理やセキュリティ確保のコストを削減し、IT 担当者が重要プロジェクトに集中できるようにするという目標に向けた新しいクラウド機能を、リリースの準備が整い次第配信します。世界的な製造企業である Krones (英語) は、Windows 11 Enterprise を利用して、業務を効率化し IT 管理に要する時間を削減しつつ、最新の生産性機能を従業員に提供しています。
印刷される情報のセキュリティを QR コードで保護
多くの企業では、重要なビジネス プロセスを遂行するためにドキュメントの印刷が必要となる場合があり、その際には認証されたプロセスが重要です。ユニバーサル プリントは、機密情報の漏えいを防ぐための信頼性が高く安全なクラウド印刷ソリューションです。明日から、Android™ 用の QR コードに対応したユニバーサル プリント セキュア リリースの提供を開始します。これは手順に従ってプロセス認証を行えるようにするもので、意図した従業員のみを対象に印刷ジョブを安全にリリースする機能が含まれます。
IT チームとハイブリッド ワークで働く従業員のコミュニケーションを強化
従業員の働く場所が多様化している今日では、メール以外にもコミュニケーション手段が必要となっています。こうした状況では、デバイスの変更に関する事前通知や、受講が必須のセキュリティ トレーニングについてのリマインドを受け取れるようになると便利です。
マイクロソフトは、今月後半には Windows 11 Enterprise サブスクリプションの一部として組織内メッセージをリリースします。企業ブランドに基づいたメッセージを Microsoft Intune からユーザーに送信し、タスクバーのすぐ上にある通知パネルや [Get Started] アプリなど、Windows のさまざまなインターフェイス上に表示することができます。
Windows Autopatch による Windows 11 へのアップグレード
昨年、Enterprise サブスクリプションの一部として Windows Autopatch をリリースしました。これにより、企業が Windows や Microsoft 365 の更新管理の大部分をこの自動化サービスに任せられるようになりました。マイクロソフトは今月の始め、皆様から大きなご期待を寄せられていた、Windows 10 から Windows 11 Enterprise にアップグレードする機能のプレビューを発表しました (英語)。
これらの機能の詳細、および先日発表されたその他の Windows Enterprise や Intune の更新に関する情報については、Windows Enterprise と Intune の最新機能に関するブログ記事 (英語) をご覧ください。
最近発表された機能のおさらい
以前の発表でお伝えした機能について、ここでも改めてご紹介します。
Windows ローカル管理者パスワード ソリューション (LAPS):攻撃者からローカル管理者アカウントへのアクセスを困難にする、Microsoft Entra (Azure AD) を使用した機能です。詳細についてはこちら (英語) をご覧ください。
Microsoft Intune Suite エンドポイント権限管理 (EPM):すべてのユーザーがアプリを標準ユーザーとして実行するように IT 担当者が設定して攻撃範囲を狭め、特定の承認されたアプリなどに限定して必要なときにのみ権限を引き上げる機能です。詳細についてはこちらをご覧ください。
Microsoft Edge ワークスペース:サポート範囲を個人用 Microsoft アカウントにまで拡大し、出張計画の作成やイベントの調整といった個人的なプロジェクトも合理化し、共同で作業できるようになりました。詳細についてはこちら (英語) をご覧ください。
新しいイノベーションを活用する方法
マイクロソフトは、Windows 11への継続的なイノベーションに取り組んでおり、新機能をご提供する頻度を引き上げたいと考えています。プライバシー、セキュリティ、アクセシビリティに関する新しい機能やエクスペリエンスの多くは明日から提供開始されます。これらの新機能は、複数のサービス テクノロジを通じて異なるタイミングで Windows 11 デバイスに配信されます。一部の新機能は、制御された機能ロールアウト (CFR) を皮切りに、今後数週間以内にユーザーへ段階的にロールアウトされます。Windows 11 バージョン 22H2 のすべてのエディションにおいて、オプションの 2023 年 6 月の非セキュリティ プレビュー リリースでこれらの新機能が既定で有効化されるようになります。Windows 11 バージョン 22H2 利用対象デバイスをお持ちでこれらの新機能に関心があるお客様は、[設定]>[Windows Update] の順に選択して Windows Update の設定を開き、利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手するのトグル スイッチをオンにすると、いち早くご利用いただけます5。[利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する] のトグル スイッチは、マネージド デバイス (Windows Update for Business または WSUS で管理されているデバイス) では有効化されません。IT 管理者は、Windows Insider Program の Release Preview Channel (英語) を通じて最新の更新を利用することができます。マイクロソフトは、新機能のロールアウトや Windows 11 の全般的なステータスに関する情報を提供しています。また、Windows 11 が組織の管理やセキュリティ確保にどのように役立つかの詳細についてはこちらをご覧ください。
Windows のイノベーションには皆様のご協力が不可欠です。マイクロソフトは、パートナー、開発者、ユーザーの皆様が最新機能をどのように活用しているか、ぜひお聞かせいただきたいと思っております。Windows 11 が提供する機能を体験するまたとないチャンスでもありますので、こちらのページをご覧になり、お客様の組織に最適な Windows 11 PC (英語) を選んで最大限にご活用ください。
※このブログ投稿は、米国時間5月24日に Bluetooth® Low Energy Audio wasのより詳細な情報を追加し、更新されました。
Join the conversation
Please sign in to comment