2025年3月6日 10:01 AM

Copilot の拡張: エンド ユーザー、管理者、開発者、ISV 向けの新機能

Copilot の拡張: エンド ユーザー、管理者、開発者、ISV 向けの新機能

※ 本ブログは、米国時間 2024/11/19 に公開された “Extending Copilot: New Features for End Users, Admins, Developers, and ISVs” の抄訳です。

この記事では、Ignite で発表される Microsoft 365 Copilot の拡張性に関する新たな価値と改善点をまとめてご紹介します。エージェントで Microsoft 365 Copilot を拡張すると、機能をカスタマイズしたり、外部データやアクションを利用したり、業務フローを自動化したりできます。今回の Ignite は、心躍る発表が盛りだくさんです。ユーザーは Copilot をさらに活用できるようになり、開発者や ISV は新しい Microsoft 365 Agents SDK を使用して開発および公開エクスペリエンスを簡素化できるようになり、IT 部門は Copilot 制御システムを使用することで Copilot エージェントを安心して導入できるようになります。

エンド ユーザー向けの新機能

Word と PowerPoint のエージェント

近日中に、エンド ユーザーが Word ドキュメントや PowerPoint ドキュメント内で Copilot を使用したまま、特定のワークフローに合わせてカスタマイズされたエージェントを取得して利用できるようになります。アプリ ストアとのこうしたシームレスな統合により、ドキュメントのコンテキストを把握する、ドキュメントに直接アイテムを挿入するといったアクションをエージェントに任せられるようになります。たとえば、以下のことが可能です。

Word から直接エージェントを取得できます。

Word

エージェントを使用して、ドキュメントの選択範囲に書かれている内容を把握し、テキストや画像を挿入できます。

エージェント

これにより、わざわざ複数のアプリを切り替えたり、手動で情報を検索したりしなくても、質の高いドキュメントやプレゼンテーションを簡単に作成できるようになります。

ファイル アップロードの改善

エージェントとのやり取りの中で / コマンドを使用すると、紐付けするナレッジとしてファイルをアップロードするプロセスを簡素化できます。プロンプトの中でファイルをアップロードして、SharePoint のファイルやコネクタ経由のコンテンツを含めた指示が可能になるため、外部データソースの取り込みや活用が容易になります。この機能により、エージェントとのやり取りに外部データを取り込むプロセスが効率化され、エージェントによるタスクの実行に必要なコンテキストや情報を簡単に指定できるようになります。

管理者向けの新機能

Copilot 制御システムの導入により、IT 部門が Copilot とエージェントを安心して採用し、すばやくビジネス価値を実現できるよう支援します。詳細については、Jared Spataro の Ignite に関するブログ記事 (英語) をご覧ください。ここでは、Ignite で発表される Copilot 制御システムのその他の機能について取り上げます。IT 管理者は、使用状況を追跡したり、より多くの外部データをインデックス化して Copilot やエージェントの応答の根拠としたり、コンプライアンス上の目的でユーザーと Copilot のやり取りをエクスポートしたりできるようになります。

Microsoft 365 管理センターの新しい使用状況レポート

今後数週間のうちに、エージェントに関するアクティブ ユーザー指標を導入し、合計、集計値、トレンドを Microsoft 365 管理センターに表示します。管理者は、アプリの ID、名称、発行元、アクティブ ユーザー、最終利用日といったエージェントの詳細を確認できるようになります。これらの新しい指標により、エージェントの展開から使用までを管理センターでエンドツーエンドに追跡することが可能になります。エージェントは Copilot に新たなスキルを追加するものであり、新しいコネクタを構成することで、あらかじめインデックス化されたナレッジで Copilot を拡張できます。この更新の最初のリリースでは、組織が Copilot Studio (エージェント ビルダーを含む) と Teams ツールキットで構築したエージェントの使用のみが計測されます。今後数か月以内に、マイクロソフトやマイクロソフト パートナーが構築したエージェントの使用やコネクタの使用に関する情報も提供する予定です。

Microsoft 365

追加費用なしで業務データを Copilot 用にインデックス化

Copilot 用のデータのインデックス化に関するライセンス要件がなくなったことで、テナントあたり 5,000 万アイテムまでインデックス化できるようになりました。IT 管理者は Microsoft 365 管理センター (MAC) で Microsoft Graph コネクタを構成し、インデックス化済みのナレッジで Copilot を拡張できます。コネクタは、Microsoft 365 生産性データと共に外部データをインデックス化することでエンタープライズ検索を強化し、その情報を根拠として Copilot やエージェントが応答を生成します。同時に、アクセス制御を尊重し、ユーザーが閲覧を許可されている情報のみにアクセスを制限します。

さらに、IT 部門が MAC で利用できる構築済み Graph コネクタのカタログも拡充が進められており、2025 年 1 月までに CB Insights、Mural、S&P Global といった 20 の構築済みコネクタが新たに利用可能になります。これにより、さらに多くの外部ビジネス データを追加コストなしで Copilot 用にインデックス化して、テナント内のすべてのユーザーのために Copilot が関知する情報を拡張できるようになります。

新しい Copilot Activity API

Copilot とのやり取りをエクスポートするための新しい Copilot Activity API が、年内にパブリック プレビューで利用可能になります。レポート、セキュリティ、調査、コンプライアンスといったさまざまなニーズに対応するために、Copilot とのやり取りをエクスポートする柔軟な方法を必要としているお客様もいらっしゃるでしょう。この API を使用すると、ユーザーの意図と、Copilot が応答を生成するときにアクセスした企業の機密情報を記録できます。

開発者向けの新機能

Microsoft 365 Agents SDK

Microsoft 365 Agents SDK のパブリック プレビューを開始しました。この SDK を使用すると、エンタープライズ クラスのスケーラブルなマルチチャネル エージェントをコーディングできます。最初のリリースは C# をサポートしており (近日中に Node.JS と Python もサポート予定)、エージェントは Microsoft 365 Copilot、Microsoft Teams、Web といったさまざまなチャネルで動作します。また、Copilot Studio で構築したエージェントにアクセスして機能を拡張でき、Copilot Studio からコードファーストのシナリオにつなげて開発を継続することも可能です。C# に対応しているため、Azure AI Foundry、Semantic Kernel などの任意の AI サービスを呼び出せます。

Microsoft 365 Agents SDK のパブリック プレビュー開始は、開発者にとって重大な出来事でしょう。この SDK には、複数のチャネルで動作する堅牢かつスケーラブルなエージェントの構築に必要なツールやリソースが揃っており、シームレスなユーザー エクスペリエンスを実現できます。パブリック プレビュー中の新しい SDK (英語) をぜひお試しください。

コード インタープリター

エージェントがスクリプトを実行して環境内で直接データを処理し、複雑なデータ分析を実行できるようになりました。一般提供中のこの機能を使用すれば、外部ツールの必要性が減ると共に、データの操作、変換、視覚化などのタスクを処理する高度なデータ駆動型アプリケーションが実現します。開発者は Copilot Studio や Teams ツールキットを使用して、データ関連の幅広いタスクを処理するための高度なエージェントを構築できます。

範囲を指定した Web 検索

エージェントのグラウンディング能力が強化され、最大 4 つのパブリック Web サイトからデータを参照できるようになりました。外部のソースにリアルタイムにアクセスして関連情報を取り入れられるため、エージェントはより多くの情報に基づき、状況に即した精度の高い応答を返せるようになります。この機能は、外部ソースを参照して最新の情報やコンテキストを提供する必要のあるエージェントの場合に特に便利です。今後数週間以内に、Teams ツールキットと Copilot Studio で一般提供を開始します。

ISV (独立系ソフトウェア ベンダー) 向けの新機能

プラグインがエージェントに進化

マイクロソフトが Copilot に関する取り組みを進める中で、ISV の皆様には、お客様向けの優れたプラグインの開発にご協力いただいています。エージェントのコンポーネントであるプラグインは、外部システムと連携したアクションを可能にするものです。ISV が開発したプラグインは、年内にユーザー エクスペリエンス内のエージェントにアップグレードされます。ユーザーは、インストール済みのすべてのエージェント (プラグインとして構築されていたエージェントを含む) に Copilot から一元的にアクセスできるようになります。アップグレードされたプラグインは、他のエージェントと同様に Copilot の右ウィンドウに表示され、エージェントとしてのエクスペリエンス (集中的なチャットなど) に対応します。このアップグレードにより、ユーザーは一貫した方法でさまざまな種類のエージェントを発見、インストール、管理、利用できるようになります。

ISV

これは、デスクトップ版と Web 版の Microsoft 365 アプリ (Office) と Teams の Microsoft 365 Copilot エクスペリエンスに適用されます。今後数か月以内に、Copilot in Word、Copilot in PowerPoint、Microsoft Teams 会議の Copilot、Teams モバイル アプリの Copilot にも適用される予定です。

パートナー センターでの公開

ISV は、パートナー センターの Microsoft 365 および Copilot プログラムの下でエージェントやコネクタを公開し、お客様に広く販売できるようになりました。申請ごとにアプリの検証が実施され、完了するとエージェントやコネクタが関連ストアでお客様向けに提供されるようになります。たとえば、公開されたコネクタは Copilot Studio で開発者向けに提供され、エンド ユーザー向けのエージェントは Microsoft 365 Copilot や Microsoft 365 ホスト (Teams、Outlook など) のストア エクスペリエンスに表示されます。

管理センターでの認定エビデンス

ISV は、Microsoft 365 認定のエビデンスを IT 管理者向けに公開できるようになりました。これは現在 Teams 管理センターで利用可能ですが、2025 年の初めに Microsoft 365 管理センター (MAC) でも利用できるようになる予定です。ISV アプリ向けの Microsoft 365 認定は、Microsoft 365 認定のフレームワークに対するアプリのセキュリティとコンプライアンスの適合性を厳格に審査するものです。認定エビデンスの公開により、お客様の組織の IT 管理者に必要な情報を提供し、導入するエージェントやアプリについて十分な情報に基づいた意思決定を下せるようにします。IT 管理者は認定のエビデンスを MAC から直接確認し、エージェントやアプリをすばやく評価できるため、承認プロセスが迅速化されます。

Copilot とエージェントの詳細情報

今週 Ignite で発表される新たな拡張機能は、エンド ユーザー、管理者、開発者、ISV の生産性を高め、ワークフローを効率化するものです。これらの機能を活用すれば、Microsoft 365 Copilot への投資の価値を最大限に引き出し、急速に進化するデジタル環境において常に先を行くことができるでしょう。

 

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