新機能: Copilot Analytics で Microsoft 365 Copilot Chat とエージェントのアクセスとレポート作成を改善
※本ブログは、米国時間 2025 年 5 月 23 日に公開された、”New! Copilot Analytics improves access and reporting on Microsoft 365 Copilot Chat and agents” を基に掲載しています。
Copilot Analytics は、AI の活用状況を測定できる機能であり、これを使用することで AI の利用とビジネスへの影響を促進できます。実際、Copilot Dashboard を使用しているユーザーは、使用していないユーザーよりも Copilot の使用率が 2 倍高いことがわかっています1。このような情報を把握するには測定と管理が重要であり、そのために Copilot Analytics を利用できます。
レポートの内容は、AI 戦略、導入状況、ビジネスへの影響を中心としており、Copilot Dashboard と Viva Insights で確認できます。また、IT プロフェッショナル向けの運用レポートは、Microsoft 365 管理センターと Power Platform 管理センターで確認でき、組織全体での AI の管理や導入状況の改善に役立てられます。
6 月には、Copilot Dashboard と、Viva Insights Web アプリで利用可能な Copilot レポート機能が統合されるため、戦略レポートにアクセスしやすくなります。この統合エクスペリエンスにより、Copilot レポートのアクセス範囲が広がっただけでなく、新しいレポート公開機能が提供され、カスタム レポートを必要に応じて公開できるようになりました。
加えて、Microsoft 365 管理センターでは、AI 管理者および導入マネージャー向けの、Microsoft 365 Copilot Chat とエージェントに関する使用状況レポートと分析情報がさらに拡充されています。
それではまず、新しい統合エクスペリエンスを見ていきましょう。主なメリットと改善された機能を確認した後、管理センターの新機能をご紹介します。
新しい統合エクスペリエンスのセットアップ
新しい統合エクスペリエンスでは、Copilot Dashboard が Viva Insights Web アプリと統合されます。来月のダッシュボード統合に先立ち、ユーザーには、ダッシュボードが Teams の Viva Insights から Insights の高度なレポート機能用 Web アプリに移行予定であることがバナーで通知されます。
統合当日には、Viva Insights の Teams アプリ内にあった Copilot Dashboard が新しい場所に変更されます。また、統合エクスペリエンスについて知らせるスプラッシュ ページが表示され、新しい場所へのリンク ボタンが提供されます。
なお、Copilot Dashboard と Viva Insights の設定とアクセス許可はすべて新しいエクスペリエンスに移行され、お客様が追加で構成を行う必要はありません。
このリンク ボタンをクリックすると、統合エクスペリエンスでホストされた Copilot Dashboard にリダイレクトされ、画面に表示された「製品ウォークスルー」で新機能の使い方を確認できます。
Copilot レポートのアクセス範囲が拡大
Copilot Dashboard では、使用状況、導入状況、ビジネスへの影響に関する詳細なレポートが上級役員とその代理人向けに提供されます。具体的には、Copilot のアクティブ ユーザー数、Copilot ライセンス ユーザーの準備状況データ、AI 導入スコアなどの分析情報を一元的に確認できます。
一方、Viva Insights の高度な分析アプリでは、事前構築済みのレポートの選択肢がさらに増え、カスタム レポートやデータ セットの作成機能も使用できるようになりました。これまでは、高度な分析ワークベンチや、そのレポートやツールの充実したライブラリにアクセスできるのは、アナリスト ロールを持つユーザーのみでした。
これらのインサイトと分析機能が単一のインターフェイスに統合され、従来はアナリストしかアクセスできなかった Copilot の分析レポートに役員や代理人もアクセスできるようになりました。さらに、アナリストも Copilot Dashboard を閲覧できるようになります。結果として、役員、代理人、アナリストが単一のツールから幅広く組織の AI 変革を推進するために必要なインサイトにアクセスできるようになります。
この統合エクスペリエンス内の新しいレポート ページでは、Copilot レポートの詳細にすぐにアクセスできるので、ユーザーにとって付加価値の高い機能になっています。このレポートの詳細はセットアップなしで利用できるほか、これまではアナリストのみがアクセスできた集約インサイトも含まれるようになります。
リリース後は、レポート ページで以下のレポート セットを利用できるようになります。レポートの詳細はこのエクスペリエンスを通じて段階的に役員や代理人のユーザーに提供されるため、それらのレポートの情報に基づいて意思決定を行い、組織の成功に役立てることができます。
- Copilot Studio エージェント
- Copilot for Sales の導入
- Microsoft 365 Copilot の導入*
- Microsoft 365 Copilot の影響*
- Copilot のビジネスへの影響*
* レポートは Copilot Analytics のアクセス許可を持つアナリストのみが利用できます。
アナリストは、Copilot Dashboard と新しいレポート ページにアクセスできるようになるほか、既存のすべての高度な分析ツールも統合エクスペリエンスで使用できます。
インパクトのあるレポートをシームレスに公開
今回のリリースでは、アナリストが標準レポートやカスタマイズされたレポートをこの統合エクスペリエンスのレポート ページに公開できます。この機能はパブリック プレビューで提供が開始されます。
公開されたレポートは統合エクスペリエンスのレポート ページにカードとして表示されるため、ユーザーは簡単にアクセスでき、関連するコンテンツもすぐに見つけられます。この公開カードにはカスタマイズされたエントリ ポイントが含まれているため、追加の設定を行うことなく、クリックだけで公開されているカスタム レポートを確認できます。
利用可能なエクスペリエンス: ロール別まとめ
ユーザー タイプ | 利用可能なエクスペリエンス |
上級役員 | Copilot Dashboard とレポート タブ + Copilot Analytics Delegation エクスペリエンス |
代理人 | Copilot Dashboard と代理スポンサー用のレポート ページ ビュー + Delegation ワークスペース スイッチャー (必要に応じて) |
アナリスト | Copilot Dashboard とレポート ページ + 高度な分析ワークベンチの関連ページ* |
* このアナリスト向けの追加アクセス権は Global パーティションでのみ使用できます。
Microsoft 365 Copilot Chat の導入状況とエージェントの使用状況を Microsoft 365 管理センターで追跡
Microsoft 365 管理センターでは、Microsoft 365 Copilot ライセンスの割り当てと AI 導入戦略の決定を支援するために、AI 管理者およびマネージャーに提供する使用状況レポートと分析情報を今後さらに充実させていきます。
Microsoft 365 Copilot Chat の導入状況を把握する
Copilot Chat 使用状況レポートは、Microsoft 365 Copilot ライセンスが未割り当てのユーザーによって Copilot Chat がどのように導入され、組織全体で使用されているかを AI 管理者が把握するためのものです。このレポートでは、Copilot Chat アクティブ ユーザーの 1 日あたりの合計数と平均数、アプリ別の使用状況 (Microsoft Edge、Microsoft 365 Copilot アプリ、Teams、Outlook など)、各ユーザーの最終使用日などのインサイトを含む、ユーザー エンゲージメントが可視化されます。管理者は使用状況データをアプリごとにフィルタリングし、Excel にエクスポートしてさらに詳しく分析することができます。また、7 日間、30 日間、90 日間、180 日間の各期間で傾向を監視することも可能です。今後のリリースでは、送信されたプロンプトの合計数が集計およびユーザー レベルでレポートに含まれるようになる予定です。このレベルの可視性が得られることから、Microsoft 365 Copilot ライセンスを保有していないユーザーによる使用状況や、それらのユーザーによる組織内での Copilot Chat の活用状況を評価できます。
Microsoft 365 Copilot Chat でエージェントの従量制使用量を追跡する
組織が Microsoft 365 Copilot Chat のエージェントを従量課金ベースで使用するうえで重要なのは、使用量を詳細に把握し、コストへの影響を測定して、エージェント管理の意思決定を下せるようにすることです。現在パブリック プレビュー中の Microsoft 365 管理センターのメッセージ使用量レポートでは、使用されたメッセージの総数、累計および日別の傾向、また、ユーザー別やエージェント別、ユーザーとエージェントの組み合わせでのメッセージの使用量を詳細に可視化できます。
Microsoft 365 Copilot ライセンスを取得し、ユーザーへのライセンスの割り当てを計画する
Microsoft 365 Copilot ライセンスの取得の判断をサポートするために、Microsoft 365 Copilot 使用状況レポートには、ライセンスの適格要件、割り当て済みのライセンスと使用可能なライセンス、ユーザー レベルの準備状況の詳細を確認できる Readiness セクションがあります。割り当ての優先順を判断するのに有用な情報が含まれており、データ駆動型のユーザー傾向モデルに基づいてライセンスの割り当て候補を提案することができます。このエクスペリエンスを開発していく中で、レポートの [Readiness] セクションは [License planning] に名称を変更し、ライセンスの割り当ての判断の際に必要な情報を拡充しています。レポートの設計は今後数か月をかけて見直す予定で、Copilot Chat ユーザーの総数、Microsoft 365 Copilot ライセンスの要求数、前提条件を満たすライセンスの総数、Microsoft 365 Copilot の使用可能なライセンス数と割り当て済みのライセンス数を把握できるようにするほか、ユーザー レベルの準備状況を詳細に把握できるように強化する予定です。
Microsoft 365 Copilot ライセンスの使用状況を測定する
Microsoft 365 Copilot ライセンスが割り当てられると、レポートの [Usage] セクションで M365 Copilot ライセンスの使用状況を確認できるようになります。現在は、テナント全体でライセンスが有効化されているユーザー、アクティブ ユーザー、アクティブ ユーザー率、アクティブ エージェント ユーザーをレポートで確認できます。Copilot の使用状況はアプリ別に把握できるようになっており、Microsoft 365 Copilot アプリ、Microsoft Teams、Outlook、Word、PowerPoint、Excel など、有効化されているユーザーとアクティブ ユーザーがアプリごとに表示されます。また、Microsoft 365 Copilot ライセンス ユーザーの Copilot Chat の使用状況と Microsoft 365 Copilot エージェントのアクティブ ユーザー数は、Web と職場のグラウンディング別に確認できます。AI 管理者は、レポートに含まれるすべての指標の最新のアクティビティをユーザー レベルで確認できます。
Microsoft 365 Copilot の導入を促進する
最後に、Microsoft 365 管理センターで一般提供中の AI 導入レポートについて紹介します。この機能は AI 導入マネージャーをサポートするもので、組織における Microsoft 365 Copilot の導入状況を測定し、類似組織の導入状況と簡単かつ効果的に比較することができます。
このレポートには AI 導入スコアが記載されるという特徴があり、Microsoft 365 Copilot が日々の業務にどの程度必要とされているかが 100 点満点で簡潔に示されます。この AI 導入スコアでは、Microsoft 365 Copilot を平均で週 3 日以上使用しているライセンス ユーザーがどの程度いるかが測定、算出されます。3 日を基準にしているのは、その日数を満たすユーザーが Copilot を継続的かつ長期的に使用する可能性が大幅に高まるためです。組織内のすべてのライセンス ユーザーがこの基準に達すると、AI 導入スコアは 100 となります。このスコアに加えて、使用頻度と主要機能レベルの使用状況に関する分析情報も提供されます。
まとめと参考資料
ここでは、Copilot Analytics 全体の機能強化により、業務全体における AI の効果を測定できるようになることについてお伝えしました。Copilot Dashboard と Viva Insights の新しい統合エクスペリエンスでは、レポートに容易にアクセスできるようになり、役員と代理人の両方に向けて新しいレポート公開機能が提供されるなど、多くのメリットを得られます。さらに、Microsoft 365 管理センターでは、AI 管理者と導入マネージャー向けに使用状況レポートと分析情報の提供が開始され、Copilot とエージェントが最も効果的に活用されている場所や活用方法を把握できるようになります。マイクロソフトは皆様からのフィードバックをお待ちしております。また、今後も測定機能の拡張を続け、AI 変革を推進していきます。
以下の参考資料もご覧ください。
- カスタマー ハブのオンデマンド セッション: Microsoft 365 Copilot で価値を加速
- Copilot Analytics ブログ: AI のビジネスへの影響を測定する Copilot Analytics の紹介 | Microsoft Community Hub (英語)
- Copilot Analytics Learn の記事: Copilot Analytics の紹介とクイック スタート ガイド| Microsoft Learn
脚注
1 7,000 を超える Microsoft 365 Copilot ユーザーのマイクロソフト社内データの集計に基づく、2024 年 4 月から 2025 年 1 月までの Copilot Dashboard の使用状況と月間アクティブ ユーザー数の増加の相関関係によります。
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