柔軟な働き方がこれからのスタンダードに:ハイブリッド ワークの世界の Microsoft 365 ソリューション
投稿者:Jared Spataro (Microsoft 365 担当コーポレート バイス プレジデント)
※ 本ブログは、米国時間 3/2 に公開された ”Flexible work is here to stay: Microsoft 365 solutions for the hybrid work world” の抄訳です。
2020 年、多くの人は家の中に仕事や学校が入り込んで来たと感じたことでしょう。また、オンサイトで業務を続ける人にとっても、勤務中の安全を確保しつつリモートのチームとつながる方法を模索しなければなりませんでした。いずれにせよ、2020 年は、仕事や学習環境のクラウド移行が加速した年でした。
そして、柔軟な働き方は今後も求められることでしょう。マイクロソフトが実施した働き方のトレンド調査によると、管理職の 80% がパンデミック後は在宅ワークのポリシーがもっと柔軟になると予測しており、従業員の 70% がそれを活用することを望んでいます。数週間後、数ヶ月後には、かなり大きな変化が起きていることが予想されます。
この新しいハイブリッドの世界で成功するためには、ダイナミックで柔軟に対応できる、クラウド ソリューションが必要です。
マイクロソフトは、仕事や学習の新しいハイブリッドな環境ですべてのユーザーが成功するためのエクスペリエンスを構築しています。本日の Microsoft Ignite では、ハイブリッドな環境のために設計された新機能を発表します。社内外の参加者向けの Microsoft Teams の新しいデジタル イベント エクスペリエンスから、Microsoft Viva の提供についての最新情報まで、盛りだくさんの内容となっています。詳しくご説明していきます。
組織内の壁をなくし、もっと簡単に組織全体がつながり、コラボレーションする
コラボレーションを成功させるうえで非常に重要なのが、コンテンツが豊富で魅力的なデジタル イベントです。社内向け、社外向けに限らず、さまざまなユーザーが同時に参加する場合も同じです。今回、あらゆる組織やイベント規模で簡単にコラボレーションできる新機能が登場しました。
コラボレーションとナレッジ マネージメントを改善
Microsoft Teams は、小規模な社内ミーティングから大規模なオンライン イベントまで、幅広いコミュニケーションの要望に対応しています。最大 1,000 人が参加できるインタラクティブなウェビナーを、組織の内外に向けて手軽に開催することができます。ウェビナーには、カスタム登録、豊富なプレゼンテーション オプション、開催者向けコントロール (例: 参加者のチャットやビデオを無効にする機能)、イベント後のレポート機能などのエンドツーエンドのエクスペリエンスが含まれます。ウェビナーの参加者が1,000 人以上になった場合、10,000 人までの視聴のみの参加には Teams がシームレスに拡張します。現在リモート ワークが急増していることを受けて、今年末までこの上限を 20,000 人に設定しています。新しいイベント機能は、現在ご利用いただいている Office 365 や Microsoft 365 の多くのプランに含まれます。
近日中に、Teams のイベント機能と Microsoft Dynamics 365 Marketing の強力な参加者管理機能の統合が予定されていします。Microsoft Teams と Dynamics 365 Marketing (英語) を連携させて参加者情報を管理できるようになり、イベント開催前、開催中、開催後の参加者へのサポートがこれまで以上に簡単になります。
また、組織の内外問わず、だれとでもチャネルを共有できる Microsoft Teams Connect を発表します。共有チャネルは、Microsoft Teams のプライマリ テナント内に他のチームやチャネルと並べて表示され、ワークフローからだれでも簡単にアクセスできます。共有ワークスペースでは、チャット、会議、アプリでの共同作業、共有、リアルタイムのドキュメント共同編集など、Microsoft Teams の豊富なコラボレーション機能を活用できます。また、外部ユーザーのデータや情報へのアクセス範囲を組織で管理するなど、管理者がきめ細かに制御できます。Microsoft Teams Connect はプライベート プレビューの提供を開始し、今年中に広範に展開する予定です。
会議とプレゼンテーションの質を高めて場所にとらわれない働き方を実現
仕事や学習のハイブリッドな環境においては、同じ部屋にいても、リモートで参加しても、移動中でも、常に最上級の体験が求められます。さらに、教育の進化に伴い、オンライン授業やハイブリッド学習に使用されるテクノロジーも変化します。Microsoft Teams の新しい視聴体験では、発表者が参加者全員と自然につながりながら、インパクトのある力強いプレゼンテーションを行うことができます。
オンライン ミーティングでは、通常発表者が自身のデスクトップを一方的に共有するため、聞いている側は受け身の状態になってしまいがちです。今回登場する Microsoft TeamsのMicrosoft PowerPoint Live を使用すると、よりインパクトがあり人を引きつけるプレゼンテーションが可能になります。ノート、スライド、会議チャット、参加者をすべて 1 つのビューに表示することで、発表者は自信を持って会議を進めることができます。また参加者は、自分のペースでコンテンツを閲覧したり、スクリーン リーダーを使用してコンテンツにアクセスして、自分好みの視聴体験に変更できます。PowerPoint Live は現在Teams で利用可能です。PowerPoint Live の詳細はこちら (英語) をご確認ください。
新しい「Presenter モード」では、発表者がビデオ フィードやコンテンツの表示方法をカスタマイズできます。1 つ目のモード「Standout」では、共有コンテンツの前面に発表者のビデオ フィードを表示します。2 つ目の「Reporter」では、ニュース番組のように、発表者の画面にワイプでコンテンツを表示します。3 つ目の「Side-by-side」では、発表者のビデオ フィードをコンテンツと並べて一緒に表示します。Presenter モードは間もなく利用可能になります。
また、会議の要素をインテリジェントに配置して最適な視聴体験を提供する「Dynamic ビュー」も発表します。ユーザーが会議に参加したり、ビデオを再生したり、発言を始めたり、プレゼンテーションを始めたりすると、Teams が自動的にレイアウトを調整し、パーソナライズします。また、自然な視線を維持できるよう、会議ウィンドウの上部に参加者ギャラリーを配置するオプションも新たに追加しました。Dynamic ビューは近日中に展開される予定です。
ハイブリッド ワークプレースのための新しい会議エクスペリエンス
従来の会議室は、室内でのコラボレーション促進を目的として設計されていました。会議がハイブリッド ワークをベースに進化するにつれ、明確にコミュニケーションしながら、だれもが積極的に会議に参加できるよう、インクルーシブなエクスペリエンスが求められるようになりました。
マイクロソフトは、Together モードやラージ ギャラリー ビューなど、Microsoft Teams Rooms に新しいギャラリー ビューを導入し、参加者全員の様子を見やすくしています。また、会議室のスクリーンが 1 つでも 2 つでも、リモート参加しているユーザーと一緒に会議コンテンツを同時に見ることができます。
そして今回、Microsoft Teams Rooms で会話している最大 10 人の声を識別して区別できる新しいMicrosoft Teamsインテリジェント スピーカーを発表します。EPOS および Yealink と共同で開発されたこのスピーカーを使用すると、参加者はトランスクリプトを利用して、だれが何を発言したのかを追ったり、アクションを把握したりできます。リモート作業中でも、会議室にいる場合でも、会議中にだれがどんなことを話したかを効果的に確認できます。プライバシーとセキュリティの確保についてはユーザーが完全に制御でき、いつでも発言者の特定を有効化/無効化できます。
マイクロソフトは、ホーム オフィスで役立つデバイスのポートフォリオを拡げています。本日はさらに、初の Microsoft Teams 認定モニターとなる Dell ビデオ会議モニターと Poly 21 を新たに発表します。この新しいモニターにはマイク、スピーカー、カメラ、ライトなどの重要な会議用ハードウェアが内蔵されており、USB で PC に接続するだけでコラボレーションを開始できるため、ユーザーは生産性を最大限に高められます。簡単に取り付けられる Poly の新しいビデオ バー P15 は、既存のモニターを高品質の Teams エンドポイントに変換できる周辺機器です。Aver 社の新製品 Cam 130 は、ビデオ会議の映り方を最適化できるライト内蔵のカメラです。
安全な通信の確保
お客様のセキュリティとコンプライアンス要件に応えるため、1 対 1 の Teams 通話でエンドツーエンドの暗号化 (E2EE) をサポートし、オンラインで機密性の高い会話を可能にする新たなオプションを提供します。IT 部門は、組織内で E2EE を使用可能なユーザーを設定できます。Microsoft Teams での 1 対 1 のアドホック VoIP 通話用 E2EE は、今年前半に商用ユーザー向けのプレビューを開始する予定です。
ハイブリッド ワークプレースを見据えた従業員エクスペリエンスの再考
ハイブリッドな働き方が浸透するにつれ、企業が成功するためには、従業員の育成やトレーニング方法、さらにはデジタル ワーカー向けの福利厚生制度の提供方法を見直す必要が出てきました。先月マイクロソフトは Microsoft Viva を発表しました。これは、従業員やチームがどこにいても最高のパフォーマンスを発揮できるように支援する、新しい従業員エクスペリエンス プラットフォームです。Microsoft 365 の多彩な機能を活用したこのプラットフォームは、ユーザーが日常的に使用している Microsoft Teams やその他の Microsoft 365 アプリを通じて統合されたエクスペリエンスを提供します。詳細については、Microsoft Vivaの発表に関するブログ記事をご覧ください。
最初のモジュールである Viva コネクション (英語) は、関連するニュース、会話、その他のリソースを集めて厳選し、企業のブランディングを反映させたエクスペリエンスを提供します。本日、Viva コネクションのデスクトップ エクスペリエンスの一般提供を開始します。Viva コネクションは、既存の SharePoint ライセンスの一部として、すべてのお客様にご利用いただけます。
プレビュー中の Viva インサイト (英語) では、組織内のすべてのユーザーの成長を促すため、従業員、マネージャー、リーダーごとにパーソナライズし、プライバシーが保護された実用的なインサイトを提供します。昨年発表したバーチャル通勤エクスペリエンスを、来月から Microsoft Viva インサイト アプリの一部として展開します。気持ちを落ち着かせながら 1 日の仕事を終えることができるツールとしてご活用ください。来月から利用可能になる新しい Home タブを活用すると、Microsoft Teams の中で保留中のタスクを管理したり、自分の考えを振り返ったり、同僚に称賛を送ったり、好きなときに休憩をとったりといったことをスムーズに行えます。詳細については、Viva インサイト ブログ (英語) をご覧ください。
Viva ラーニングは、Microsoft Teams 内に設けられた学習ハブです。ユーザーは、LinkedIn ラーニング、Microsoft Learn、サードパーティのトレーニング コンテンツ、独自のカスタム コンテンツなど、組織内の優れたコンテンツ ライブラリから情報収集、共有、推奨、学習のリソースを入手できます。Microsoft Teams 用 Viva ラーニング アプリは、4 月からパブリック プレビュー、今年後半には一般提供を開始する予定です。新しいエクスペリエンス、パートナー API、パブリック プレビューの情報を含め、Viva ラーニングについての詳細は、サインアップしてご確認ください。
ゼロ トラストの取り組みを支援
マイクロソフトのデジタル セーフティに対するアプローチは、強力な 2 つの柱を擁した独自のものです。1 つは、統合されたエンドツーエンドのアプローチで、2 つ目は、非常に高度な AI および自動化です。この 2 つの柱を組み合わせてセキュリティ、コンプライアンス、ID、管理を相互に結び付け、全体的な保護機能に統合し、あらゆる角度からクラウド規模でセキュリティに取り組んでいます。目に見えない脅威を食い止めることはできません。そこで、世界トップレベルの人工知能 (AI) を活用し、毎日 8 兆件以上の脅威シグナルを分析して、常に監視しながら可視性を高めることで、他のプロバイダーが見落としているものを察知できるようにしています。
このような保護機能をプラットフォームに組み込むことで、ユーザーの作業効率や企業のイノベーションを妨げることのないシームレスなエクスペリエンスを実現しています。Microsoft Ignite では、ゼロ トラストの取り組みを支援するために、この分野に関する重要な発表を行います。いくつかの注目ポイントをご紹介します。
- Microsoft Information Protection で保護されたドキュメントの共同編集: インテリジェントで拡張可能な組み込みの統合機能を活用して保護する Microsoft 365 アプリ全体のドキュメントやメールを、複数のユーザーで同時に編集できます。
- Microsoft 365 Defender の脅威分析: プレビュー版の Threat Analytics では、マイクロソフトのセキュリティ研究者による一連のレポートを提供し、Solorigate 攻撃のようなアクティブ脅威の把握、予防、緩和を、ユーザーの皆様が Microsoft 365 Defender 内で直接行えるようにします。
- パスワードレス認証のクラウドとハイブリッド環境向けの一般提供: サインインやデータ アクセス時にパスワードを入力する必要がなくなり、すべての従業員に安全でシームレスなサインイン エクスペリエンスを提供できます。Microsoft Azure Active Directory (Azure AD) のパスワードレス認証は、生体認証のほか、Windows Hello for Business、Microsoft Authenticator アプリ、Microsoft インテリジェント セキュリティ アソシエーション パートナー (Yubico、Feitian、AuthenTrend など) が提供する互換性のある FIDO2 セキュリティ キーの利用をサポートしています。さまざまなユーザーやグループ、資格情報の種類ごとにポリシーをカスタマイズしたり、新しいレポート ツールで適用状況を追跡したりできます。プレビュー版 Temporary Access Pass を使用すると、パスワードなしの資格情報を設定したり回復したりするための、期間限定のコードを生成できるようになります。
さらに多くの機能が登場します。セキュリティに関する発表については、セキュリティ、コンプライアンス、ID 担当コーポレート バイス プレジデントを務める Vasu Jakkal のセキュリティ ブログの記事 (英語) をチェックしてみてください。
Microsoft 365 に関するその他の最新情報
昨年マイクロソフトは、ゼロ トラスト環境でシンプルかつ安全な印刷エクスペリエンスを提供する、Microsoft 365 クラウド印刷ソリューション「ユニバーサル プリント」を発表しました。このたび、一般提供を開始します。これを使用すると、ワークプレースに参加している Windows デバイスを持つ従業員は、追加のソフトウェアをインストールすることなく、場所に基づいてプリンターを簡単に検出して印刷することができます。今夏以降、ユーザーは任意のブラウザーを使用して、任意のデバイスの OneDrive for Business Web エクスペリエンスからドキュメントを印刷できるようになります。ユニバーサル プリント ブログ (英語) では、このソリューションがお客様やパートナー様から高く評価されている理由を紹介しています。
データ所在地の要件対応を支援するため、Microsoft 365 Multi-Geo では、お客様が指定した地域にデータをプロビジョニングして保存することができます。このたび、Microsoft 365 Multi-Geo の拡張により Microsoft Teams が含まれるようになり、組織はチームやエンドユーザーが Teams の顧客データを利用できる場所を指定できるようになります。Teams の Multi-Geo サポートは、今春に展開される予定です。
物理的なオフィスや教室からオンライン ソリューション、さらには従業員エクスペリエンスまで、マイクロソフトは皆様と共にハイブリッドな仕事および学習のための環境作りに取り組んでいます。最先端のイノベーションを共有しながら、常にその先を目指しています。これからも、さまざまな機能を皆様に提供して参ります。
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