やってはいけない AI の使い方
※ 本ブログは、米国に公開された “How Not to Use AI” の抄訳です。
簡単にできるところまでで終わりにするのではなく、他にも AI を有効活用できる方法を探してみましょう。
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「生産性を高めたいなら、昼寝をしよう」「クリエイティブになりたいなら、しくみを作ろう」「我が子にしゃべらせたいなら、質問攻めにするのはやめよう」。人生における最高のアドバイスの中には、このような逆説的なものもあります。そして、これは AI にも当てはまります。ここでは AI を利用する際の本当に役立つガイダンスという観点から、やってはいけない 4 つのことと、AI のメリットを最大限に活用する方法を紹介します。
1.機械のように扱わない
AI はそのユーザーのことを何かしら知っています。たとえば Copilot なら、ユーザーの作業データに安全かつプライベートにアクセスできる権利があるからです。だからといって、ユーザーのすべてを知っているわけではありません。AI が持つ情報の関連性を深め、発展させるには、文脈、ガイダンス、そしてユーザーとの「生きた」経験を増やすことが必要になります。そのためには、AI をただ答えをはじき出す計算機のように扱うのではなく、同僚のように接して (英語)、親しくなることを心がけましょう。
たとえば、AI に受信トレイの中から優先度の高いメールを教えてもらう場合、同時に上司からのメールが最優先であることを伝えれば、はるかに的確な答えを返してくれます。あるいは、この 1 週間のうちに何度も依頼された仕事に関するメールが最優先である場合は、そのように伝えます。
2.検索エンジン代わりに使用しない
チャットボックスに最初に入力したプロンプトだけで、必要な情報をすべて返してくれることはほぼありません。Copilot との会話は、すぐに正確な答えが出るというよりは、継続的なやり取りが必要になるものです。目標は、初回の応答でできる限り正確な答えが返ってくるようにし、その後、徐々に正解に近づくことです。AI からより有益な回答を得るためには、次の 2 つを実践してください。
- 自分の考えを整理します。AI にメールの作成を依頼する場合は、どのような成果物を望んでいるのかを考えます。どのような文体がふさわしいと考えているのか、どのような構成にしたいと考えているのかなど、達成したいタスクの要素と理由を自分の中で明確にしてください。
- 親しい同僚と話すように AI と会話をします。マイクロソフトが実施した調査 (英語) によると、AI に命令に従わせるよりも挑戦的に指示したほうが、より充実した結果が出力されることがわかっています。何度かフィードバックをして、質問の仕方を変えながら話してみましょう。脱線することを恐れず、さまざまな文体、長さ、オーディエンスを対象として作成を依頼し、その結果の中から最適なものを選んでください。
3.簡単に達成できるところまでで終わりにしない
Copilot の最も一般的な活用方法は、ドキュメントの検索です。たとえば、数日前の会議で同僚が共有してくれた PowerPoint を見つけるために使います。しかし、ドキュメントを見つけたらそれで終わりではないはずです。ドキュメントを探していた本当の目的は、何かの答えを見つけることではないでしょうか。実行する 1 つひとつのタスクはすべて、大きなシステムの一部だと考えるようにしましょう。1 本の枝だけではなく、その木全体を見るようにします。戦略やビジネス プロセスを見直すために AI をどのように活用できるのかを考えたら、次はそのビジネス プロセスの一部である請求書の分析や現場の人事担当者からの問い合わせへの回答といった個々のタスクも AI に任せることができるのかを考えてみてください。
4.試行錯誤を忘れない
特に具体的な目標がなくても、AI は試せば試すほど経験が増え、正確で洗練されたやり取りができるようになります。成長させることを念頭に試行錯誤を重ね、何が機能し何が機能しないのかを時間をかけてじっくりと見極めましょう。
これはジャズ演奏の練習と似ています。まず体系化されたレッスンをこなし、実証されたテクニックを身に付けることは必須ですが、素晴らしいセッションというのは、自らがさまざまな方法を試し、試行錯誤することから生まれるのです。
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