2022年7月14日 9:24 AM

イベントレポート:ハイブリッド ワーク 2022 ~リモート ワークの先へ! 新しい働き方の多様性~

日本マイクロソフト自身の実践から得た知見やベストプラクティス、ソリューションをご紹介する「ハイブリッド ワーク 2022 ~リモート ワークの先へ! 新しい働き方の多様性~」が6月9日(木)に開催されました。ご視聴いただいた982名の皆さまには、この場を借りてお礼申し上げます。ライブ中継された本イベントは7月1日(金)から9月30日(金)までオンデマンドでもご視聴いただけます。こちらのイベントレポートともにぜひご覧ください。

マイクロソフトはなぜ “ハイブリッド ワーク” に挑むのか? ~ パンデミック対応で学んだ光と影 ~

COVID-19 (新型コロナウイルス感染症)は私たちの働き方を大きく変えました。過度なリモートワークは人間関係の構築や共同作業において「負の側面」が浮かび上がる一方で、この状況下で新たな業務スタイルや人生設計に挑戦する人たちが現れ、組織力や環境負荷に対する利点も見えてきました。マイクロソフト自身が実施してきた様々な調査結果を基に「日本マイクロソフトの ハイブリッド ワークの試み」についてお伝えしました。

日本マイクロソフトのワークスタイル変革の指針

  • より社会に貢献していこうという【社会づくり】
  • イノベーションのスイッチとして重要な人の活躍や安心を提供していく【人づくり】
  • 新しい仕事をつくっていこう、デザインしていこう【仕事づくり】

日本マイクロソフトでは、大きくこの3つの指針を軸にワークスタイル変革を進めています。
この方針は2018年に、組織を横断して結成された「ワークスタイル変革チーム」が発足した際に定められました。日本マイクロソフトでは2007年から在宅勤務を制度化し、「いつでも、どこでも、活躍できる」フレキシブルワーク環境に取り組んできましたが、同時に業務プロセスを見直し、ルーティンワークをできる限り自動化するなどして、さらなる変革に挑戦してきました。

ワークスタイル変革推進担当役員の手島とリードの織田

ワークスタイル変革推進担当役員の手島(左)とリードの織田(右)

手島 「いわゆるピラミッド構造の組織モデルではなく、ホラクラシー(意思決定やマネジメントを自律的なチームに分散し、それぞれのチームが能動的に活動する組織管理システム)な分散型ネットワーク型で考え、プロジェクトの目的にあわせてオーナーを決め、仲間が協力して知恵を出し、議論を交わしながらドライブしていくようなコラボレーション、メンバーの組み方を進めてきました」

日本マイクロソフトでは、2019年に社員一人一人が、仕事(ワーク)や生活(ライフ)の事情や状況に応じた多様で柔軟な働き方を、自らがチョイス(選択)できる『ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏』を実践して注目を集めました。手島は当時のことを次のように説明しています。

手島 「メディアでは『マイクロソフトが週休3日制になった』と報道されて、周りからの反響も大きかったのですが、週休3日制を目標にしていたわけではありません。社員自身が考えるベストな働き方に対して、リテラシーを持ってどう取り組んでいくのか、その調整の場を作ったということだけです。言い換えれば、毎日の選択肢をどのようにベストな結果に導けるかに取り組んだと言えます」

そんな日本マイクロソフトでも、COVID-19への対応に際して、新たな課題が現れました。関係者が衝撃を受けたのは、激しいリモートワークが組織のエンゲージメントを低下させているという調査結果です。一方で、COVID-19と共生、あるいは終息したあとで、35%の社員がフルリモートを、63%の社員がハイブリッドワークを希望し、従来と同じように働きたいと考える社員はわずか2%と、以前のように朝出社し、夜退社するような働き方には戻りたくないと考えていることも明らかになりました。

マイクロソフトはなぜ “ハイブリッド ワーク” に挑むのか? ~ パンデミック対応で学んだ光と影 ~のスライド

日本マイクロソフトの社員へのアンケートの結果から

手島 「今はどんどん物事が多様化されています。今後は世界中どこにおいても、この多様化は進んでいくでしょう。主体性の軸と、多様性の軸をどのように、働く人、1人1人が考えるのかが肝心だと思います。例えば、これまでは福利厚生の制度によるワークライフ バランスを受け取ってきたわけですが、これからはバランスを“とる”のではなく、バランスを“選択する”ことが重要だと考えています。選択をするためには、その人のやりがいのスイッチを明確にすることが必要であり、そのために『こういうこうとやりたい』『もっとこうしたい』という創造性を増やしていく必要があります。このやりがいを創造して、引っ張っていくことが、いま日本マイクロソフトで1番力に入れていることです」

織田 「主体性は正直、あまり出してはいけないのではないかと最初の頃は考えていました。あまり出してしまうと別の道を…というような印象が我々世代にはありました。ただ、皆さん当たり前ですが、やりがいのスイッチはそれぞれ持っているのですよね。ハイブリッドワークになって、それが主張しやすくなったと感じています。自分自身の仕事の役割もあるし、責務ありますが、そもそも何をしたいのか、目的はなにか、そういうところに自分の強い思いや意思があって、ようやく、多様化された環境の中で、いろんな人とコラボレーションしながら、創造性が育まれるのだと思います。主体性をどう引き出すかが、最も大事だと思います」

マイクロソフトはなぜ “ハイブリッド ワーク” に挑むのか? ~ パンデミック対応で学んだ光と影 ~のスライド

日本マイクロソフトでのハイブリッドワークの学び

個人と組織のパフォーマンスを引き出す鍵となる! 従業員エクスペリエンスの真価

ウェルビーイングや従業員エクスペリエンスへの関心が高まっています。これらは単なるトレンドワードではなく、組織運営や経営課題の解決手法として、海外で注目を集め、日本でも多くの企業が取り組み始めています。2つめのセッションでは「従業員エクスペリエンス」の価値について、日本マイクロソフトの人事や市場動向の観点からお届け致しました。

個人と組織のパフォーマンスを引き出す鍵となる! 従業員エクスペリエンスの真価

右から人事本部長を務めるクリスチャン、EY ストラテジー・アンド・コンサルティングの水野氏、Viva と Teams のマーケティングを担当する加藤

Microsoft VivaTeamsのマーケティングを担当する加藤は “従業員” にまつわる調査データを取り上げ、9割以上の従業員が学習や人材育成に積極的な投資を行う企業で長く働きたいと答え、企業側から見た際もエンゲージメントの高い従業員はそうでない従業員よりも職場への定着率が12倍高く、ビジネスへの直接的な還元という点においてもエンゲージメントの高い組織は顧客満足度において10%高い、と従業員エンゲージメントの重要性を説明しました。

 

個人と組織のパフォーマンスを引き出す鍵となる! 従業員エクスペリエンスの真価のスライド

2020 Workplace Learning Report, LinkedIn Learningより

加藤 「日本マイクロソフトの調査では、53%の社員が以前と比べて仕事よりも健康を優先するようになると回答しています。これはリモートワークでの孤独感が強まっていることを示していると思われます。リモートワークの普及により、企業には以前と異なる価値感が求められています」

クリスチャン 「パンデミックに対応する中で働き方の見直しと議論がされてきましたが、マイクロソフトにおいては座右の銘といえる “フレキシビリティ” がハイブリッドワークを実践する上で重要な概念であることが再認識されました。個々のニーズ、社員1人1人の働き方はすべて異なります。その多様性に応えるためにもフレキシビリティの重要性は疑いなく、働き方を改革する上での軸となる考えです。さらに個々の成長のためには、マイクロソフトが大切にしている “会社としてのカルチャー” も大切で、常に進化する、何か学ぼうというカルチャー=Living our CULTURE in acrisisが、リモートワークにおけるチャレンジにつながり、『常に何かを伝えよう』『コラボレーションしていこう』という思考に直結します。ハイブリットワークを実践する中で、改めてカルチャーが重要であるということに気づきました」

水野氏 「従業員エクスペリエンスを向上させるには『採用から退職まで』のジャーニーの中で従業員に期待することと、実態のギャップを明らかにして、施策や仕組みを構築するべきです。そして、その目的は従業員を幸せにすることだけでなく、企業の最終的な利益を拡大する「従業員エンゲージメント」を育むための活動と捉える必要があります。従業員エクスペリエンスが収益へとつながり、顧客の満足度が向上し、商品に対する購買意欲が増え、得られた収益に基づいて人的資源に還元する。そうした大きな好循環を意識することが大事です」

従業員エクスペリエンスを向上することは“投資”であり、その企業が成長するためのドライバーでもあります。従業員エクスペリエンスの向上を単なる組織風土改革にとどめず、ビジネス価値の向上、つまり収益の向上を見据えた生産性改革につなげることが重要です。

クリスチャン 「パンデミック下でのハイブリットワークへの変革をマイクロソフトでは1つの“ジャーニー”と捉え、常にマネージャーや経営陣、社員からのフィードバックを得て、改善へとつなげています」

水野氏 「1on1ミーティングを実施してヒアリングをするものの、やりっぱなしでフィードバックの反映も、改善もできていない企業が多い。一過性ではなく、中長期的に取り組み、継続していくことが改善に必要なポイントです。企業には常に新しい人が入社し、退社していく、つまり、変わっていくことが必然です。従業員エクスペリエンスは従業員が期待することと実際に体験すること、体験に対する解釈が変化していくので、従業員の入れ替わりとともに期待するものも変わっていきます。どう定義して、それをどう還元するのか、常に更新し続けることが欠かせません」

加藤 「私が所属するチームでも、それぞれがどのようなことを実現したいか、チームで何を達成したいかなどを、定期的にディスカッションしています」

日本マイクロソフトでは、チームとしても個人としても、従業員エクスペリエンを高める意識を常にしています。

ハイブリッドワークを支えるゼロトラストな 1 日

いつでもどこでもコラボレーションができ、生産性を上げられる。そんなハイブリッドワークを実践するためには、適切なデバイス管理の下、セキュアに業務を遂行できる環境が欠かせません。このセッションでは、あるビジネスパーソンが過ごす 1 日の姿を通じて、Windows 11Microsoft Endpoint Manager がどのようにその働き方を支え、守っているのかをお届けいたしました。

Windows やセキュリティのマーケティングを担当する岸(左)とアーキテクトを務める東條(右)

生体認証によるWindows 11へのサインインとYahoo! ニュースへのログイン

そのデバイスの個人識別番号であるPINと連携して、パスワードを使わずに生体情報でサインインするWindows Hello。昨年末に Yahoo! Japanのサービスでも、Windows Helloによるログインがサポートされました。Windows Helloについて、東條は次のように説明します。

東條 「我々はパスワード入力をやめていただきたいと思っています。それはなぜか?パスワードは使いやすい割にセキュリティ性はとても低いからです。セキュリティを上げようとすると、2要素認証を使うというやり方がありますが、引き換えに利便性が落ちてしまいます。Windows Helloでは、顔をかざすだけ、指紋をなぞるだけでサインインができるので、パスワードを入力する煩わしさから解放されるいわゆる「パスワードレス」な認証です。セキュリティ性も高いので、いいとこ取りと言えます」

Windows Hello と Azure Active Directory (AD) を連携させて、イントラネットの業務アプリでも生体認証が利用できるようになる Windows Hello for Businessは、生体認証や PIN を使用する新しいタイプの“ユーザー・クレデンシャル”であり、サービスへのサインイン時にパスワードを使用しない、より安全な最新の2 要素認証システムで、公開鍵認証基盤 (PKI) やAzure Active Directory、オンプレミスのActive Directory間の公開鍵の同期が不要となります。

Microsoft Defender ウィルス対策・デバイス保護によるセキュリティ

仕事に役立つサイトのリンクがチャットで送られてきて、クリックするとリンク先の脅威を警告するポップアップが表示。結果的にブロックすることができたのはWindows 11に標準装備されている、Microsoft Defender ウィルス対策によるものです。これはメール、アプリ、クラウド、Web 上のウイルス、マルウェア、スパイウェアなどの脅威に対して、包括的、継続的に、かつ、リアルタイムでデバイスを保護する機能で、高度な機械学習モデルやヒューリスティックな技術が採用されています。

 「重要なセキュリティ機能が第三者によって勝手に変えられてしまうことを防止する『改ざん防止機能』も備わっています。万が一、知らない人が “なりすまし” で入ってしまうことがあったとしても、二重でブロックできます。ウィルス対策はWindows標準のMicrosoft Defenderだけで十分です」

置き忘れたしまったデバイスの中にあるデータを遠隔から消去

リモートワーク、ハイブリッドワークでは、デバイスを使う場所が職場とは限りません。モバイル デバイス管理 (MDM) とモバイル アプリケーション管理 (MAM) に重点を置いた、クラウドベースの管理サービスであるMicrosoft Intune には、万が一、デバイスをどこかに置き忘れてしまった場合でも、遠隔からデバイスを出荷時の状態に戻す「ワイプ」や管理対象のデータのみ削除する「リタイヤ」という機能があります。

Windows 365にサインイン

Windows 365は、クラウド上に構築されたWindows OSをストリーミングでデバイスに送る「クラウドPC」と呼ぶソリューションで、ブラウザーからWindowsを利用できます。

東条 「クラウド上にデスクトップPCがあるというイメージです。どこからでも安全に使えるPCとも言えます」

現在、Windows 11とWindows 365の連携が進んでおり、例えば、Windows 365 Switchという機能では、Windows 11のタスクビューで複数のデスクトップを切り替えるのと同じように 、Windows 365とローカル デスクトップとの間を行き来することが可能。Windows 365 Bootでは起動時にWindows 365に直接ログインし、デバイスのプライマリのWindowsとして指定することができるようになります。

自社の環境に適したWindows デバイスの初期セットアップをクラウドから自動的に行うWindows Autopilot

 「ユーザーはなにか特別な操作をする必要はなく、ただ、インターネットにつなげて、待っているだけで、所属先の組織のポリシーが設定されます。管理者側も最初に自社の設定をしておくだけです。デバイスのセットアップをするためだけに出社する必要がなくなりますし、退社した社員のデバイスを別の社員に渡す場合などでお使い頂けます」

東條 「先日、発表され、現在パブリックプレビューが提供されている、Windows、Office、Microsoft Edgeのアップデートを自動で管理するWindows Autopatchもお勧めしたいサービスです。ある意味、管理をマイクロソフトに丸投げできる機能で、常に最適で最新の状態を保つことができます。セキュアの高い環境を保ちながら、情報システム管理者の負担を軽減することができます」(注:2022年7月11日より一般提供が開始されました)

ハイブリッドワークを支えるゼロトラストな 1 日で紹介されたゼロトラストの3原則

最後にこのセッションのテーマでもあるゼロトラストについて、東條は次のように説明します。

東條 「ゼロトラストは要約すると『鵜呑みにしない』セキュリティモデルです。毎回、明示的に検証し、侵害される想定のもとにいち早く、適切な対処をとるという考え方です。そのためには、保護方針をきちんと立てること、リスク アセスメントを実施すること、従業員やパートナーに「条件付きアクセス」を設定することが大切です。先ほど岸はビデオの中でWindows 365にサインインする際に Microsoft Authenticator で多要素認証を求められていましたが、これは使用者のIDは正しいけど、このIDが使用するいつものPCではない、よって本当にそのユーザーがIDに紐づく正しいユーザーかを確認しに行ったというポリシーが組み込まれていたためです」

ハイブリッド ワークに向けて会議室と電話をアップデート!  ~日本マイクロソフトのオフィスを探検しながらご紹介します~

ハイブリッドワークの実践のためには職場環境の改善が欠かせません。全員が会議室に集まるのではなく、リモートからの参加者もいる会議では、机と椅子だけの会議室にPCを持ち込んでTeams会議につないでも、そのPCの対面にいる方の声はリモートの相手に届きづらいですし、カメラに映るのはそのPCの前にいる人物だけです。また、外線電話をオフィスに置いてある電話機でしかとれないとしたら、電話応対のためだけに出社しなければなりません。このセッションではハイブリッドワークに適した会議室と電話について、日本マイクロソフトの環境とともにご紹介しました。

ハイブリッド ワークに向けて会議室と電話をアップデート! ~日本マイクロソフトのオフィスを探検しながらご紹介します~

右から進行を務めた岡、Teams Rooms の技術戦略を担当する是枝、Microsoft 365 デバイスの Global Black Beltを務める松野、Teams 会議 & 電話のマーケティングを担当する水島

2つめのセッションで加藤も引用した働き方の調査はWork Trend Indexと呼ばれており、定期的に調査レポートを公表しています。

水島 「今年、おもしろい結果が見られました。「オフィスで過ごす時間をなるべく長くしたい」と回答された方と「オフィスで過ごす時間をなるべく少なくしたい」と回答された方の、その理由をお聞きすると、どちらも58%の方が『より集中して仕事をするために』と回答をしています。集中できる環境は人それぞれで、全員が等しく満足できるような画一的なアプローチはないということが分かります。さらにこれからは通勤コストに見合うだけの職場環境が求められていることも分かりました。オフィスの会議室とリモートから同じオンライン会議に参加しているときに『情報の格差が生まれてしまい、同じ扱いを受けられていない』と感じる方は43%にのぼります」

ハイブリッド ワークに向けて会議室と電話をアップデート! ~日本マイクロソフトのオフィスを探検しながらご紹介します~

米スチールケース社の “The New Era of Hybrid Work 2022”より

これらの課題に対応できている企業は世界的にみてもそれほど多くはありません。ある調査資料では、自分の勤務先の職場環境に満足している社員ほど仕事に意欲的で、組織、文化とのつながりを感じやすく、生産性がより高いという結果が出ており、この傾向は日本においてより顕著と言われています。これらのことから企業側が積極的に職場環境をより良くしていくことが、働きやすさにつながり、従業員エンゲージメントが高まると言えそうです。

ここからは、日本マイクロソフトでの実践として、自身も日常的に利用しているSurfaceシリーズが紹介されました。

Surface Earbuds:多機能ワイヤレスイヤホン

片方にマイクを2つ搭載、左右で計4つのマイクを搭載しているためクリアな音声を発信でき、Surfaceと連動した操作はもちろん、PowerPointのスライドショーでのスライド送りやWordやOutlookでの音声入力を実演しました。

Surface Duo 2:デュアルスクリーン搭載スマートフォン

片側の画面でTeams会議に参加し、もう片側の画面ではOutlookを立ち上げて、メールのチェックをしながら会議に参加をする、デュアルスクリーンを有効に活用するシーンを紹介。

松野 「Surface Duo 2ならスマートフォンデバイスでありながら、生産性が高い仕事ができます。私自身、このSurface Duo 2を常に持ち歩いており、日常業務でで活用しています。たとえば、Surface Duo 2で参加しているTeams会議はPCに転送できるので、移動中はSurface Duo 2とSurface Earbudsで会議に参加し、オフィスに着いたらSurface Laptop Studioに転送して、会議を続行するという使い方ができます」

続いて、是枝が日本マイクロソフトの会議室をご紹介しました。

是枝 「会議室の入口にはTeamsパネルと呼ばれるディスプレイが設置されています。会議システムと連動しているため、その部屋の次の予定をここで確認することができますし、赤く光っていれば在室中、緑に光っていれば空いてと状況がすぐに分かります。ちなみに社員はOutlookカレンダーからこれらの会議室を予約します」

日本マイクロソフトの全ての会議室には、Microsoft Teams RoomsというTeams専用の会議ソリューションが設置されています。その会議室にいる全員の声を明瞭にリモートの参加者に届けられるだけでなく、会議室の中で発言している人物をカメラが自動的に追尾するので、リモートにいながらも会議室で誰が話しているのかがすぐに分かるといった特長があります。高性能なスピーカーも搭載されているので、リモートからの参加者の声が会議室にいる全員に正確に伝わります。

ハイブリッド ワークに向けて会議室と電話をアップデート! ~日本マイクロソフトのオフィスを探検しながらご紹介します~

全ての会議室に設置されているMicrosoft Teams Rooms。テーブルの上に操作端末とマイク、ディスプレイにはスピーカーとカメラが装着されている。

是枝 「タッチ式のコントローラーから、Teams会議に参加したり、会議の参加者の確認、音声のミュートも含めたボリューム調整が可能です。カメラを複数つないでいる場合にはカメラを切り替える機能が追加されました。一般的なオンライン会議は参加者の顔を見ながら喋るレイアウトになっていますが、この「フロント ロー」という新機能を有効にすると、資料を見ながら会議をすることに主眼が置かれ、誰がどんなリアクションをしているのかが分かりやすくなるので、臨場感のある会議が可能になります。これらの機能は私たちがハイブリットワークに最適な会議室を研究してきた成果の1つです」

ハイブリッド ワークに向けて会議室と電話をアップデート! ~日本マイクロソフトのオフィスを探検しながらご紹介します~

多くの会議室に設置されているSurface Hub 2Sをデジタル キャンバスのWhiteboardを使いながら、再び松野が説明しました。

松野 「遠隔地からでも、Surface Hubが設置しているスペースとリアルタイムに1つのホワイトボードに書き込みながら、議論をし、コミュニケーション行っていただくことができます。Surface HubのカメラもTeams Roomsのカメラと同じように、参加者の動きに併せてフォーカスします」

ハイブリッド ワークに向けて会議室と電話をアップデート! ~日本マイクロソフトのオフィスを探検しながらご紹介します~

日本マイクロソフトのオフィスには、一部の業務を除き、固定電話がありません。Teamsから外線電話の送受信ができる「Teams電話」をマイクロソフト社員は利用し、Teamsが動作するデバイスを“電話”として使用しています。PCから外線電話をかけたり、受けることはちろんのこと、BYOD (Bring Your Own Device) が許可されているマイクロソフトでは、個人用のスマートフォンを、個人的に電話をするときは自身が契約しているキャリアから、業務で電話をするときはインストールしているTeamsからと使い分けています。

ハイブリッド ワークに向けて会議室と電話をアップデート! ~日本マイクロソフトのオフィスを探検しながらご紹介します~

水島 「Teams電話なら、どこにいてもTeamsから、しかも、会社の電話番号で電話がかけられます。『オフィスに出社する人に電話対応が集中する』『他の人に取り次ぐ時間が掛かる』といった課題が一気に改善されるまさにハイブリットワーク時代にピッタリな電話ソリューションです」

日本マイクロソフトのハイブリッド ワークのための職場環境

最後のセッションでは、11年ぶりにリニューアルした品川本社が、そのコンセプトや考え方と共に説明されました。執務エリアでは HoloLens 2 からの視点で紹介、Microsoft Mesh によるメタバースな世界観も披露されました。日本マイクロソフトの新しいオフィスについては、このイベント後に公開されたビデオをあわせてご覧ください。

春日井 「現在は織田がリーダーを務める「ワークスタイル変革チーム」にオフィスの改修プロジェクトが発足し、品川に移転してから10年目の節目を迎える2020年を目指してリニューアルを進めていましたが、最初のフロアのリニューアルが終わったところで、COVID-19 に襲われました。以後、工事計画の見直しとともに改修プロジェクト自体も軌道修正を行いました。目指したのは『社員を勇気づける。力づける』ということ。次の5つのコンセプトで成り立っています」

  1. これまでのオフィスの課題を解決し、業務の効率化を図り、社員の満足度を高める
  2. 「職場」という物理的な場所でのコラボレーションの促進し、新しいアイデアやイノベーションを起こす
  3. 社員の心身の健康をサポートする
  4. 自分たち自身がデジタルを駆使し、ショーケースとなるような新しい働き方を生み出す
  5. ダイバーシティ&インクルージョン、サステナビリティに取り組み、社会のパートナーとなる

春日井 「オフィス面積の1%を占めるグリーンは本物の植物です。バイオフィリアという、人は本能的に自然や生命とのつながりを求めるという考え方を職場環境に採り入れました。コンセプトの3と5ですね。北側の廊下は窓もなく、社員からは薄暗いトンネルのようだと不評だったので、さまざまなアーティストにお願いをしてアートを描いて頂きました。いまでは通る度に気分が明るくなります」

日本マイクロソフトのハイブリッド ワークのための職場環境

春日井 「パンデミックによって我々社員の情報発信も、いわゆる集合型のセミナーから、オンラインのウェビナーへの変更を余儀なくされました。そのため、撮影やライブ中継の専用の部屋としてスタジオを新設しました。社員の執務フロアではなく、お客様とお会いする場所にスタジオを用意したのは、いずれお客様やパートナー様ともお届けしたいと考えたからです」

ハイブリッドワークを支えるゼロトラストな 1 日

「ハイブリッドワークを支えるゼロトラストな 1 日」はスタジオからお届けしました

執務エリアの一角に仮想テーブルが出現し、品川オフィスの別の部屋にいる吉田と自宅にいる上田のアバターが登場。メタバースが変える働き方の未来をお伝えしました。

上田 「こちらはVR (仮想現実) と AR (拡張現実) を融合したMR(複合現実)を構築するMicrosoft Meshを使っています。離れた場所にいる人々が、あたかも同じ場所にいるような体験を共有できます。いわゆる“メタバース”の技術ですが、メタバースとはそもそも現実世界の要素を永続的にデジタルで表現するための一連のテクノロジーによって実現されるものです。デバイスやソフトウェアの壁にぶつかる心配をしなくてもよいことがこのソリューションのポイントです」

日本マイクロソフトのハイブリッド ワークのための職場環境

品川オフィスの別の部屋からアバターで参加したテクノロジーセンターの吉田(左)、自宅からアバターで参加したMixed Realityのマーケティングを担当する上田(中央)

日本マイクロソフトのハイブリッド ワークのための職場環境

実際にこの場所にいたのはモダンワークのマーケティングを担当する春日井のみ

上田 「川崎重工様では自社の重機をリモートで管理されています。HoloLens 2を導入頂き、ロボットの故障発生時の迅速な対応や予兆保全を行うことで、トラブルの発生を未然に防ぎ、遠隔地にいるエキスパートのアドバイスや支援を、複数の拠点で同時に、リアルタイムで得られる環境を構築しました。メタバースの進化は加速化しています。現在は産業界が主ですが、近い将来はコミュニケーションツールとしての発展や医療技術でも発展していくと考えています」

いかがでしたでしょうか?「ハイブリッド ワーク 2022 ~リモート ワークの先へ! 新しい働き方の多様性~」は9月30日(金)までオンデマンドでご視聴いただけます。ぜひ、ご覧ください。

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